Categories: 銘柄分析

【第一商品】なぜ株価急騰?投資対象とするべきなのか株価上昇の理由と合わせて解説

赤字続きで株価も低迷の第一商品が2024年2月以降株価が急騰。24/3期第3四半期の経常利益黒字化見通しに始まり、暗号資産の取り扱いが決定したこと、株主優待の実施などが主な理由です。

では、第一商品は投資対象としてどうなのかについて、過去の業績などを振り返りながら考察していきます。

こんな人におすすめ
  1. 第一商品への投資判断に悩んでいる
  2. 第一商品の株価上昇理由が知りたい

第一商品 会社概要

金地金の売買主力

金地金の売買を主とした金融サービス企業。かつては金の先物取引が事業の主力でしたが、不適正会計が発覚したことにより、同事業を2020年に日産証券へ譲渡しています。

事業ポートフォリオ

セグメント詳細
  • 金地金:金地金等の販売及び買取
  • 投資・金融サービス:金融商品(デリバティブ商品)の受託及び自己売買

暗号資産「Kinka」

海外子会社が発行している金の価格と連動する暗号資産「Kinka」が新たな海外(ドバイ)の暗号資産取引プラットフォームで取扱銘柄に指定されることが決定したと発表。事実上、金の海外販売が可能に。

海外比率

日本国内での売上が9割以上を占めるため、公表していません。

第一商品 過去業績

売上/営業利益率

業績上昇/下落理由

対面での販売を行なっていたため、コロナ禍で大打撃。さらに不正会計に端を発する特別損失の計上などにより3期連続で営業赤字の状態です。

EPS/ROE

着眼点
  • EPSは上昇傾向
  • ROEは8%を継続的に超えているか(8%未満の場合は上昇傾向かどうか)
  • 資本政策に積極的に取り組んでいるか

自己資本比率/フリーキャッシュフロー

23/3末時点
  • 有利子負債比率:0%
  • 現金等:27.4億円
  • 流動比率:172%

財務の健全性は?

有利子負債は抱えていません。21/3期に増資を行ったことで自己資本比率が急上昇。ただ、赤字が続いてるため利益剰余金はマイナスの状態であり、楽観視はできません

こいち

増資で自己資本増やしたものの、赤字で食い潰してる状態です

配当/配当性向

※2024/04/01時点
  • 配当利回り:—%
  • PER:—倍
  • PBR:1.24倍
  • 株主優待制度:あり

株主還元方針/配当政策

財務内容及び今後の事業展開を勘案しつつ、安定的配当を継続して行うことを基本方針としています。ただ、ここ数年は業績の悪化により無配となります。

株主優待制度

24/3末時点で500株以上を保有する株主を対象に株式保有数と保有期間に応じてQUOカードを贈呈すると発表しています。詳細はこちらをご確認ください。

こいち

ただ、継続的なものではない可能性が高いので注意が必要です

第一商品 株価推移

低調なパフォーマンスが続いていた同社ですが、2024年9月に入って株価が急上昇。主な材料は以下の通りです。

3Q累計経常黒字化

2024年2月9日に第3四半期の業績見通しを公表。赤字続きだった同社の業績ですが、第3四半期累計で経常利益が黒字化する見通しであることを公表したことで大きく上昇しました。

こいち

ただ、実態以上の株価上昇であり、仕手株との見方もあるので注意が必要です。

あわせて読みたい
仕手株を投資初心者が避けるべき理由とは?狙うべき銘柄と合わせて解説

また、金の価格と連動する暗号資産の取扱が決定したことなども材料として注目されています。

株主優待制度の導入を材料視

2024年3月21日には24/3末時点の株主に対して、株主優待を実施することを発表。これを材料視され株価が大きく反応しています。

こいち

いずれにせよ、マネーゲームを得意としない投資初心者が参戦するのは難しい銘柄です。

第一商品 まとめ

ポイントまとめ
  • 2020年の不正会計発覚後、業績は赤字続き
  • 24/3期第3四半期の経常利益が黒字化する見通しから株価急騰
  • 株主優待実施などの材料も重なり、株価は大きく反応
  • 仕手化との見方もあり、マネーゲームを得意としない初心者の参戦は得策ではない銘柄
あわせて読みたい
2024年1〜3月の振り返りと今後注目のセクター
8656s384