2024年2月にAI事業への参画を公表したことにより、株価急騰のフォーサイド。ただ、業績の実態とは無関係に株価が急騰しており、個人的には今触れるべき銘柄ではないかなと考えています。今回はそんなフォーサイドへの投資妙味を考察していきます。
クレーンゲームの景品の企画・開発・販売を主にビジネスを展開する企業。業種は「情報・通信」ですが、これは祖業に由来します。
2000年設立で携帯電話向けコンテンツプロバイダーとして事業を開始。その後、消費者金融事業やモバイルコンテンツ事業、電子書籍事業とビジネスの形を変えながら事業展開している企業です。
2024年2月にAI領域における新たな事業を開始することを決めたと発表。AI研究をリードする東京大学松尾氏の共同研究でPMを務めた佐藤氏を新しく設立する子会社の取締役に迎え入れるとしています。
流行りのテーマに乗っかるフットワークの軽さが特徴的ですね。
コンテンツ系を活かした事業が多いですがAIもこれに関連してくるのか、それとも不動産関連のように全く関係ないビジネスなのか。
海外売上構成比は10%未満のため、詳細の数値は公表していません。
2010年代前半は電子書籍事業を主に積極的に海外にも進出するも、大赤字を連続して記録。代表取締役の交代などを経て徐々に経営状態を改善してきています。
財政の立て直しが急務であり、資本政策は特に行なっていません。
2012年は自己資本比率が90%を超えるも、フリーキャッシュフロー赤字を連発し大幅に低下。ここ数年はキャッシュフローも改善し、財務も良化傾向です。
2011年以降、配当は行なっていません。
財政状態および経営成績を勘案しながら利益配当を行なっていくことを基本方針としています。ただ、2011年以降は最終損失の累積により無配となっています。
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日経平均と直近1年のパフォーマンスを比較したのが上図です。2024年2月にかけて5連続ストップ高となるなど株価が急騰しています。仕手株のような動きにも見えるので注意が必要ですが、上昇理由は以下の通り。
2024年2月に公表したAI関連事業への参画が、大きな期待を集める形となり株価が急騰。その後一旦下落はするものの、以前過去の水準から見ると高い位置にいることが分かります。
まだ具体的な事業の内容すら分からない状態ですので、乗っからない方が無難かなと。
調査時点でPERは130倍超えと明らかに期待値先行で高騰していることが分かります。期待を裏切るようなニュースが出た場合には大きく下落することが予想されるため、マネーゲームを望む方以外の参加は悪手と考えられます。
また、AI事業に関しても具体的な内容が不明なため、将来性を予想するのが困難です。これまでの事業内容から考えて、同社にAI関連事業に特別な優位性があるとも考えられません。
あまり得体の知れないものには触れるべきではないかなと。