24/1期通期決算における今期予想での成長鈍化を嫌気され、株価下落中のGENDA。では、そんな株価下落中の今がチャンスなのかについて考察していきます。
アミューズメント施設「GiGO」などを運営する企業。ゲームマシンのレンタルが祖業であり、2020年にはセガのゲームセンター部門を買収。着々と店舗数を増やし、国内ゲームセンター市場の第3位に位置しています。
2018年に設立し、わずか5年後の2023年7月に東証グロース市場にスピード上場を果たしています。
創業社長の申真衣氏は東大卒業後、ゴールドマンサックスを経て同社を創業。モデルとしての側面も併せ持つ異色のキャリアにも注目が集まっています。
後述しますがM&Aを成長戦略の最重要手段とし、2040年に世界一のエンターテイメント企業になることを目指すとしています。
現時点ではゲーセンやカラオケなどのプラットフォーム事業が主体ですが、今後M&Aなどを活用したIPビジネスの強化を進めて行くとしています。2023年11月にはギャガ社を買収するなど、コンテンツ事業を加速させています。
知的財産を活用して利益を得るビジネスのことです。自社で有するキャラクターなどを他社が活用する際、ライセンス料を得るビジネスモデルです。
中国や台湾、米国でもアミューズメント施設をオープンするなど、国内にとどまらず海外にも積極的に進出。※海外比率は24/1期の有価証券報告書が出次第更新します。
外資系出身の社長だけに早くから海外戦略を見据えてますね。
既存事業の成長に加えてM&Aで株式価値を高めていくことを成長戦略の柱としています。創業以来、アミューズメント施設運営など数多くのM&Aを通じて事業の拡大を続けています。
GENDAの業績は下期偏重となるため、四半期で見る場合は注意してください!
25/1期予想ではEPSが前期比で微減となる予想。成長投資が優先であり、資本政策等は特に定めていません。
IR資料は適宜必要な情報を分かりやすく開示!ただ、中期経営計画は制定しない方針とのこと。
上場による増資や銀行からの借入れで成長に向けた投資(有価証券、子会社の取得)を実施しており、フリーキャッシュフローは大きくマイナス。成長投資が必要なフェーズですので、盤石の財務とは言えません。
グロース銘柄ですので、多少はリスクを取ってでも大きな成長が求められています。
上場以来、まだ配当は行っていません。
上場して1年経ってませんが、日経平均をアウトパフォーム。高い成長に期待が集まっていることが分かります。
一方で24/1期通期決算を発表した3月以降、株価が下落しています。理由は25/1期予想が想像を下回り、成長率の鈍化を嫌気されたものと考えられます。具体的には、EPSが前期比微減となることや、営業利益率の低下などです。ただ、以下の点は考慮する必要があります。
GENDAは積極的にM&Aや設備投資をしているため、管理会計上の費用であるのれん償却費と減価償却費が多くなります。ただ、これらは実際にその期にキャッシュアウトしたものではないため、それらを足し戻したEBITDAで見ると高い増益率を誇ります。
GENDAも決算資料でEBITDAで見ることを強調してますね。
前述の通り、GENDAの成長戦略の重要となる手段はM&Aです。今期の予想にはM&Aの見込みは含まれておらず、M&Aいかんで上振れする要素があること。
大きく調整するようであれば、チャンスとも言えそうですね。