権利確定の3月末にかけて上場来高値を更新したものの、4月以降は一転して15%超の下落幅となっている共立メンテナンス。今回はその株価下落要因と割安か否かについて考察していきます。
寮(学生寮、社員寮)やホテルなどの施設を管理運営する企業。主力はホテル事業で、長期滞在型ビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾートホテル「癒しの湯宿」を全国に展開しています。
日本国内での売上が9割を超えるため、海外売上は公表していません。
主力のホテル事業がインバウンド需要の回復を追い風に稼働率・客室単価ともに上昇。ダイナミックプライシングによるレベニューマネジメントを徹底継続していくとしています。
中期経営計画でのROE目標は10%と控えめな目標。ホテル事業を中心に積極的な投資を行なっていくとしており、海外事業の展開や第三の柱としてシニアライフ事業(高齢者住宅事業)の育成を行なっています。
自己資本比率は最低ラインの30%を超えるものの、有利子負債は1000億円超え。投資キャッシュフローが増えており、財務の健全性よりも攻めのスタンスであると言えます。
株主還元の強化は見込みにくく、業績の成長がカギを握ります
業績連動・収益対応型配当を利益配分の方針としていますが、「長期にわたり安定して着実に株主の皆様に報いる」ことを基本スタンスとしています。配当性向の目安は20%としています。
コロナ禍では減配となったものの、その3年間を除けば安定して増配傾向と言えます
株式保有数と保有期間に応じて優待割引券(年2回)やリゾートホテル優待券(年2回)を贈呈しています。詳しくは会社HPをご確認ください。
リゾートホテル優待券は日によって30%割引になる日もあり、人気の株主優待です
2024/06/27までの年初来パフォーマンスは上図の通り。権利確定の年度末に向けて大きく上昇したものの、4月以降に株価は大きく下落。3月の上場来高値から16%を超えての下落となっています。
下落につながる大きな材料はありません。強いて言うのであれば、権利確定前までの株価上昇の流れが強すぎため、一時的に調整していると考えても良いのではないでしょうか。
長期スパンで見てもこの程度の調整は定期的に起こっているので業績が崩れていない限りは、短期的な調整局面は買い場だと個人的には考えています。
PERは20〜30倍台が当たり前でしたので、足元の18倍台は割安と言って良いのではないでしょうか