円安で原材料高、エネルギー価格上昇に苦しむ食品メーカー。円高によって収益力の改善にも期待が持てる業界の一つです。中でも安定の配当に加えて株主優待もつく明治ホールディングスについてまとめていきます。
食品メーカー「明治」、製薬メーカー「Meiji Seika ファルマ」を中核子会社に有する持株会社。2009年に明治乳業と明治製菓の経営統合によって設立された企業です。
赤ちゃん(粉ミルク)からお年寄り(食品・薬品)まで幅広い世代に提供できる商品を有するグループ。
2022年度に初めて海外比率10%超えを達成。ただ、まだまだ低い水準であり、2026年度に向けて海外比率30%達成を目指します。
明治HDの決算を見ていく上で、海外比率は注目したい着眼点の一つですね。
23/3期以降営業利益率が低下。原材料高に加え、エネルギーコストが上昇したことが要因。価格の改定を行いましたが、それらを吸収することができていません。
低下気味とは言え、収益力は高いです。
ROICを意識しつつ、最重要指標としてROESG(明治ROESG)を最上位の経営指標に。
新たなに中期経営計画2026を策定中。今後どのような戦略を取るのか注目です。
財務はいずれも安定の水準ですが、ポイントはキャッシュフローの安定感。10年以上営業キャッシュフローは黒字が続き、毎年1000億円前後を本業で稼ぎます。
株主への利益還元を重要課題とし、24/3期までに連結配当性向を40%を一つの目安としています。策定中の「2026中計」からは総還元性向を重心した政策に転換する方針であり、配当に加え自社株買いなどにも期待。
24/3期も増配予定で10期連続増配となります。また、この10年での増配率は5倍近くにのぼるなど、中長期保有で旨みの出る銘柄。
100株以上保有の株主に対し、保有株式数に応じて自社製品の贈呈を行なっています。
100株保有での株主優待込みの利回りは約3.3%になります。
全社比、競合比のいずれも割安とは言えません。原料高の影響は受けてますが、それでもなお収益性の高さは突出してます。
製薬セグメントにおいて上市を計画していた新薬の開発動向により、株価が大きく上下する場面がありました。それを除いても、年間を通して日経平均をアンダーパフォームしています。
原材料高など仕入に関するリスク。また、製薬セグメントを有すため新薬の開発状況による減損損失や株価の上下が起こり得ることは認識しておいた方が良いです。
海外展開が鍵になります。海外比率の低さは課題ですが、逆に言うとまだまだ伸び代があるとも言えます。