ここ数年は業績低迷も、足元では株価上昇中の三菱マテリアル。金価格に追随するように、銅価格が上昇していることがその要因だと考えられます。
今回はそもそも三菱マテリアルがどのような会社なのか、将来性はどうなのかについて考察していきます。
三菱グループの大手非鉄金属メーカー。1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが合併して設立された企業になります。
銅をはじめとした非鉄金属等の基礎素材から、自動車や家電などに使われる機械部品や電子材料・部品。それらを作るために必要な道具(切削)の製造・販売まで幅広く展開しています。
既に権益を有している鉱山の開発プロジェクトを推進しつつ、継続的な鉱山投資による権益の獲得を目指し、供給不足が懸念される銅の供給量拡大を目指しています。
権益の獲得のみならず、電気製品等からのリサイクル能力も首位級のシェアを誇ります
海外比率はアジアを中心に6割弱。
原材料高、エネルギーコスト高の影響で営業利益は低調。銅加工事業・電子材料事業においては半導体市場・自動車市場低迷の影響も。
資源権益を有しているだけに、銅価格など市況の影響も受けるため注意が必要です
2025年度に向けたROEの目標は10%に設定。各事業ごとの戦略立てや、株主還元の強化など資本政策には積極的な印象です。
統合報告書にもPBR1倍割れに関して言及するなど、改善に向けた意識は高いです
自己資本比率は30%強と最低限のライン。有利子負債も多く、財務面にはやや不安がありますが、今後自己資本比率を上げていくとしています。
経営全般にわたる所要そうを総合的に勘案の上、決定する方針としています。2023年度〜2025年度の中期経営計画フェーズ1では配当性向30%を目安としています。
自社株買いはあまり行っていません
自社で扱う貴金属製品の割引券や、グループ会社が運営する観光抗道を無料にて利用できる特典などを贈呈しています。詳しくは会社HPをご確認ください。
日経平均と比較してアンダーパフォームしている期間が長かったですが、足元では株価が大きく上昇。金市況に追随して銅価格が上昇していることが株価上昇に起因しています。
年初より金価格の上昇が続いていましたが、追随する形で銀や銅市況も好調。金属相場の上昇が収益面で恩恵となるとの見方から、非鉄金属などを中心に投資資金が流入しています。
ウクライナ問題なども金属価格に影響を与えており、今後も注目が必要です