2024年は年初から約10%株価下落の日清製粉グループ本社。24/3期は過去最高益を記録したものの、25/3期予想がコンセンサスを下振れしたことが要因だと考えられます。
では、株価下落の現時点は割安と言えるのかについて考察していきます。
日清製粉グループの持株会社。主力の製粉はニップン、昭和産業、日東富士製粉とともに製粉大手4社に数えられます。中でも同社はシェアNo.1を誇り、製粉事業以外にも食品、パスタ類なども強いです。
米国およびオーストラリア製粉事業を中心に海外比率は3割強。海外生産し、現地販売を行う現地完結型を成長戦略に掲げています。
2023年度は増収増益で期初予想も上回るなど好調。価格改定の効果もあり、いずれの事業も増益。人流の回復も後押しし、過去最高益となっています。
ROE・EPSともに右肩上がりではあるものの、ROA(総資産回転率)がが低く、ROEは6%台と低調。2026年度のROE目標は7%を目安としています。
後述しますが、配当や株主還元は積極的に行なっています
有利子負債以上に手元の現金を有しており実質無借金経営となります。いずれの指標も安全水準であり、財務は盤石です。
連結ベースでの配当性向40%以上を基準として、配当を継続的に行うことを基本方針としています。
2022年度から2026年度を対象とした中期経営計画では減配はできる限り回避するとし、実質的な累進配当に近い状態です
500株以上保有の株主に対して自社製品もしくは寄付から選ぶことができます。詳しくは会社HPをご確認ください。
2024/06/06を起点とした直近1年のパフォーマンスが上図の通り。2023年11月に大きく上昇したものの、年末にかけて下落。2024年は年度末に向けて上昇したものの、そこから一転して下落しており、年初来で約10%の下落となります。
24/3期は過去最高益を記録したものの、25/3期業績予想が前期横ばいの見通しでコンセンサスを下振れしたことが要因だと考えられます。PER20倍前後が定位置でしたが、だいぶ割安感が出ているのではないでしょうか。
安定した配当を得つつ、株主優待も付いてくる点が魅力の銘柄です