安定して業績を伸ばし続けるNSDですが、イマイチ株価は上がらず。投資家の期待以上に利益が伸びていないことが原因だと考えられます。そんなNSDが今後株価を伸ばしていくための鍵やリスクなどについて考察していきます。
独立系システムインテグレータとして、金融・製造・通信などの業界向けにITシステムの開発を行う企業。いわゆるSIer(エスアイアー)です。
大手コンピューターメーカーから独立した企業
ユーザー系:大手企業の情報システム部門から独立した企業
独立系:特定の親会社をもたずシステム開発を専門に行う企業
設立は1969年に大阪。業界内では比較的歴史の長い企業であり、古くから築いた顧客との関係性、技術力を特徴に業績を伸ばし続けています。
システム開発とは、客先の求めるシステム要件に対して、時には客先に常駐しながらシステム開発を進めるビジネスです。エンドユーザーから直接仕事を請ける事業者を「元請け(一次請け)」と言い、そこから二次、三次と下請け構造になります。
社員の口コミなどを見ているとNSDは二次請けで仕事をもらうことが多いようです。
一般的に元請けの方が取り分が大きく、下請けになればなるほど取り分が少なくなると言われます。NSDは古くからの付き合い先から、大きな信頼を勝ち得ており、二次請けでも高い収益性を誇っています。
ソリューションは、自社のサービス(ソフトウェア)を顧客に販売していくビジネスモデルです。
新コア事業と位置付けるクラウドを利用した新技術・DX関連のシステム開発事業が大きく伸長。
23/3期はプロシップ社との資本業務提携の解消に伴う株式の売却益が載ってるため、一時的に大きく伸長。これは一時的なものであるため、それを除くと今期も順調に伸びてると考えられます。
ROEは高い値で、かつ右肩上がりなのは好感が持てます。
資産(設備や建物)や在庫をあまり持たないビジネスモデルのため、業界総じて財務は安定しています。その中でも、NSDは自己資本比率80%と高く、有利子負債も抱えておらず、業界内でもかなり安定している財務。
現金がかなり溜まってるので、成長投資なのか株主還元なのか使い道に注目です。
所々減配もあるため、累進配当的な考えは持っていなさそうですが、安定して利益を出し続けている結果、一株配当も順調に伸びています。
調査時点(2023/09/28)で配当利回りは2.41%。株価も高いだけに、高配当の水準(3.5%)までは行きませんが、増配の期待は持てる銘柄。
100株以上400株未満かつ、保有期間が3年未満の株主にはQUOカード。400株以上または3年以上保有の株主にはカタログギフトが贈呈されます。
全社比、競合比で見ても割安水準とは言えません。ただ、過去の成長率が継続すると考えるとまだまだ割安とも言えます。
永久成長率をどの程度に見込むかで判断が変わってきますね。
コロナ禍で急速にDX需要が高まったことで、業界は非常に追い風。在宅ワークに備えたシステム構築など、あらゆる業界でもDX化が進んできました。
一方でその流れが一周しつつあること。さらにはクラウドサービスの台頭により、今までは個別開発が必要だったものが、開発せずにサービスを利用できるようになりつつあります。
急減速することは考えにくいですが、参入障壁も低く、新たなプレイヤーが多い市場なだけに競争は激化していくことが予想されます。
SIerという仕事柄、エンジニアは客先に常駐して仕事を行うケースが多いです。業界共通の問題として、従業員(エンジニア)の従業員満足度が高くなく、離職率も高い業界とされています。
ただでさえIT人材が不足していると言われる日本だけに、いかに優秀なエンジニアを確保するか。おそらく各社共通の問題であると考えられます。
これらの課題に対する解決策として、各社力を入れているのが「自社サービス」になります!
自社サービスのメリット