日経平均が最高値を更新するなど日本株への期待が集まる中、密かに注目を集めているのがREIT。分配利回りが徐々に上昇していることや、相対的に見た割安感がその理由です。では、投資対象としてどうなのか?について解説していきます。
REITは「Real Estate Investment Trust」の略称であり、投資信託の一種です。投資信託と言えば、さまざまな企業の株式を分散して所有することができる「オルカン」などをイメージすると思いますが、REITの場合は株式ではなく対象が不動産になります。
上図の通り、複数の不動産を所有する不動産投資法人に投資をすることで、同法人が得た収益(売却益や賃貸収入)を分配金という形で受け取ることができます。
分配金=配当金です!また、日本のREITのことを「J-REIT」と呼びます。
投資対象の不動産投資法人(REIT)がどのような物件を所有しているかは確認することができます。もちろん、REITごとに所有している不動産の種類に特徴があり、代表するところでは以下のようなものがあります。
REITごとに上記のような特徴を持ち、ETFという形で証券取引所に上場しています。どれか一つのETFを選んで投資をすることもできますし、複数のETFをまとめた投資信託に投資をすることも可能です。
ETFの運用母体は三井不動産や野村不動産などの不動産会社や証券会社などが担っています。
では、不動産投資は何が違うのか?比較した場合のREITの特徴は以下となります。
不動産投資のメリットである銀行からの借入れを行うことはできませんが、容易に少額からできることから、初心者向けの投資法となります。
どちらかというと配当を目的とした高配当株投資に近いのがREIT!となると気になるのは利回りです。
上図の緑線がJ-REITをおおよそ平均した「東証REIT指数」の分配金利回りの水準です。2022年4月頃は3.6〜3.7%程だった利回りが、足元では4.3〜4.4%まで向上しています。高配当株の基準を4%だとすると、それ以上の利回りを得ることができます。
分配金が同額だとして、分配利回りが上がってるということはすなわちJ-REITの価格が下落していることを意味します。では、株と比較してどうなのか?
先ほどと同じグラフですが、今度は青線(東証REIT指数価格推移)と紫線(TOPIX価格推移)をご覧ください。好調な日本株を裏目にREITの価格は下落傾向。株と比較して、相対的に割安感があることが分かります。
不動産の価格が上がって売却した場合には売却益(キャピタルゲイン)も得られますが、企業と異なりREITは成長を求めていません。基本的にはインカムゲインを求めた投資法となります。
高配当株投資を好む人にはうってつけです!
すでに株式投資などを行なっており、リスク分散のために不動産投資をしたい。ただ、物件の管理などは面倒なのでREITを検討するというのも一つの選択肢です。
J-REITは株同様、証券口座で買うことができます。
当サイトでは上記をおすすめしてますが、J-REITの購入も3つのどれかで問題ないかと思います。
上図が東証REIT ETF<2555>の価格推移です。矢印部分がコロナ禍での価格下落を指しており、このように必ずしも元本保証されたものではなく、暴落する場面もありますので注意が必要です。
地震などの災害により物件に被害が及んだ場合や、運営会社が倒産した場合なども投資する上でのリスクと考えられます。
物件の購入は銀行からの借入れによって行います。金利が上昇することで支払利息が増え、投資家へのリターンが減少した場合、分配金の減少に繋がります。
インフレが進行することで物件の価値が上昇し、逆にプラスの効果があるとも考えられますが、一般的に金利上昇のリスクもあるということは認識が必要です。