2024年4月に入って株価ストップ高になるなど急上昇中のソシオネクスト。政府の支援(ラピダス向け)や米半導体市況の影響によるものですが、投資対象としてはどうなのか?
ソシオネクストの会社概要や過去の業績を振り返りながら考察していきます。
SoC(System-on-a-chip)半導体に特化して設計・開発から販売までを行うファブレスメーカー。富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSI事業の統合によって2014年に設立された企業です。
ソシオネクストは顧客や用途に合わせた「カスタム」SoCの設計・開発に強みを持ちます。
SoC(System-on-a-chip)半導体一本で事業を展開しているため、セグメント分けは行っていません。向け先のアプリケーションは上図の通りです。
海外比率は6割弱。アジアの中でも特に中国の比率が高く(アジアの約90%)なっているので中国リスクは認識しておく必要があります。
業績は好調で24/3期も上方修正。中国市場低迷の影響はあるものの、新製品の開発量産が順調であることや円安も業績の追い風になっています。
EPS/ROEともに右肩上がりで高水準。この水準を維持できるかどうかがポイントになります。
有利子負債は抱えておらず、いずれの指標も安全水準。財務は安定してると言えます。
先行開発投資と財務基盤の維持のバランスに配慮しつつ、連結配当性向40%程度を目安に安定的な配当の実施を目指していくとしています。
波はあるものの直近1年は日経平均を大きくアウトパフォーム。2024年に入ってから堅調に推移しており、4月3日にはストップ高を記録するなど注目を集めています。主な上昇理由は以下の通りです。
ただ、期待値が先行してる分、2023年5月〜6月のように材料次第で大きく下落するリスクもあります。
2024年に入ってからは米エヌビディアの好決算など生成AIブームを追い風に株価が大きく上昇。米国の長期金利低下を背景にハイテクセクターが大きく変われる中、関連銘柄としてソシオネクストも大きく注目を集めています。
4月2日には政府がラピダスへ追加支援を行うことが明らかになりました。ただ、同じタイミングで台湾で地震が起きたことでTSMCの創業に懸念が広がりましたが、早期に復旧できる見込みとの観測が広がったことで4月4日にはストップ高に。
米国市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX)が上昇したことなども半導体関連の株高に寄与しています。
PERも40倍に迫っており、ハイリスクハイリターンな投資対象であることに変わりはありません。