2024年に入って株価急騰も、その後下落が続く売れるネット広告社。今回はその理由や売れるネット広告社への投資妙味について解説していきます。
2023年10月に東証グロース市場に上場したネット広告会社。D2C(ネット通販)に特化したクラウドサービスおよびマーケティングコンサル事業の2本柱で事業を展開しています。会社HPはこちらから。
青汁王子こと三崎優太氏が同社の株式を5%以上取得したため、大量保有報告書を提出しています。
※その後、3/25には以下の通り全株を売却したそうです。理由は株価低下にもつながった直近決算の内容を踏まえてのものです。詳細は後述します。
日本国内のみでの事業展開となります。
24/7期予想は当初増収増益予想でしたが、半期での進捗が悪く下方修正を発表。新規アカウントが減少し、解約率も想定を上回ったためとしています。
後述しますが、この下方修正も株価下落に拍車をかける形になっています。
22/7期はオフィス移転・拡張や積極的な投資により赤字に転落。成長投資のフェーズであり、資本政策は特に行なっていません。
有利子負債は抱えておらず無借金経営。いずれの指標も問題なく、財務は健全です。
上場以来、配当の実績はありません。
内部留保を考慮したうえで、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としています。しかし、現時点では成長投資による利益成長を最優先するとしており、配当は行っていません。
上図①の範囲では小幅に何度かストップ高を記録しています。主な材料としては1/10にグローバルフィンテック企業「SocialGood社」への出資を発表。
また、1/16にはD2C業界特化型M&A仲介事業サービスを提供する「売れるD2C業界M&A社」を設立し、新たな事業を開始することを発表。いずれもビジネスの拡大に期待が膨らみ、株価が上昇しています。
上図②では2/1〜2/21にかけてほぼ一本調子に株価が大幅上昇。主な材料としては以下の通りです。
など立て続けに好材料を発表。特にAmazon関連の新規事業は今後の収益貢献への期待値が大きく、投資家の関心を大きく集めています。
2/21に最高値の6090円を記録以降は加熱感による反動から、一転して株価は下落。ただ、3/4には主力サービス「売れるD2Cつくーる」にAIライティング機能実装の検証開始を発表し、一時反発するもその後は下落傾向が続いています。
特に3/15の大引け後には24/7期業績予想を下方修正。経常利益は従来比で95%減少する見込みであることを公表し、下落の流れに拍車をかけています。
この決算が青汁王子が全株売却に至った理由のようです。材料は多いものの、ハイリスクハイリターンな投資対象です。