24/3期の半期決算で上方修正を発表したフクダ電子。投資妙味があるのか否か、ライバル企業の日本光電工業と比較することで考察してみました。
フクダ電子への投資を検討中の方や、気になっている方はぜひご覧ください。
日米高配当株投資を中心に投資歴は5年目を迎え、年間配当金は30万円オーバー。保有銘柄の評価益はプラス40%超。
数字(業績)だけの分析だけではなく、コンサルの経験も活かした事業分析や考えうるリスクなど、独自の視点で解説してます!
心電計をはじめとした医療機器の製造販売を行う企業。設立は1948年で東証スタンダード市場に上場しています。
メーカーではありますが、他社製品を仕入れて販売も。フィリップスやGEなどの海外メーカーと販売代理店契約を結び販売を行っており、割合としては他社製品の方が多く。全国に販売網を持っています。
医療機関向け及び個人の在宅医療向けの製品も手掛けます。予防・検査から治療、経過観察・リハビリ、在宅・介護まで一気通貫で手掛ける企業は少ない。
22/3期に大幅減収に見えますが、これは会計基準の変更によるものなので不問。30年以上前から空気清浄機を手掛けており、コロナ禍で業績加速。医療機関へのコロナ関連助成金も後押し。
今期は助成金の反動減により減収減益見込み。ただ、前期も減益見込みから最終的に最高益更新しているため、今期もサプライズの可能性あるのではないかと思っています。
自己資本比率は80%弱と盤石。有利子負債もほぼ抱えておらず、手元の現金ふんだんに抱えている状況。医療アプリ開発などベンチャー企業への出資や、研究開発や設備投資へ余剰資金を投下していく方針。
配当性向30%を目安としており、業績次第では減配もあり得ます。現に今期は業績の上方修正がない限りは減配予定。そこそこの配当をもらいつつ、成長に期待して中長期的に保持したい方におすすめの銘柄。
年初来で日経平均及び競合(日本光電工業)と比較してるのが上図です。年初からはアンダーパフォームしていましたが、年後半にかけてジリジリ株価上昇中。一方で、以下の通り株価水準としては割安とも言えます。
同じく医療機器製造を行う、日本光電工業と比較。会社の規模や業績は非常に似通ってる2社ですが、株価水準は結構差があります。
営業利益率の推移を比較しているのが上図。10年近くほぼほぼ同じ水準で推移してきましたが、ここ数年はフクダ電子の方が高パフォーマンス。コロナ禍一服して落ち込んでいる日本光電工業に対して、フクダ電子は収益性を落としていません。
では、なぜ株価は日本光電工業の方が高いのでしょうか?
要因は一つではないと思いますが、大きな理由の一つに「海外比率」があげられそうです。日本光電工業が30%強の割合を占める一方で、フクダ電子は10分の1程度の割合。純粋にマーケットサイズ的に将来の成長性が高いと判断されているのではないでしょうか。
ただ、医療市場自体は今後も拡大していくことが予測され、フクダ電子が展開する在宅医療向けも今後需要が増えると考えられることから、個人的には過小評価されているのでは?と考えています。