業績変動の大きいイメージのある半導体業界ですが、その中でも安定業績・安定配当が特徴のイノテック。半導体商社からメーカーの機能も有し、業績拡大傾向の銘柄です。今回はそんなイノテックへの投資妙味に関して考察していきます。
※A〜Hの投資分類はこちらを参考にしてください。
半導体設計ツールや電子部品などの輸入・販売を行う半導体専門商社。商社としての側面とメーカーとしての側面も持ち合わせていることが特徴です。
海外売上比率は約25%。米国、中国、シンガポール等に拠点を有しており、国内外のサポート体制を構築しています。
半導体需要による業績の影響が大きい。生成AI分野にも同社独自の自然対話エンジンを活用して積極的に取り組む構えを見せています。
半導体関連ではありますが、あまり凹凸は少ないのが特徴ですね。
2023年度(24/3期)を最終年度とする中期経営計画ではROE8%超を目標とし、ROICやWACCなどにも言及。ただ、あまり具体的までは語られていません。
2019年に策定された中期経営計画であることを考えると、他社よりも先駆けて資本政策には注力しています。
かつては無借金でしたが、ここ数年は積極的に設備投資を行っています。自己資本比率は下がっていますが、いずれの指標も及第点の水準と言え、財務は問題ありません。
連結配当性向に一定の目安を設け、安定的な配当を行っていくこととしています。具体的には連結配当性向30%を下回らないことを基本とし、業績の急変がない限り50%を目安としています。
非減配期間も10年以上と長く、配当目的としては心強いですね。
全社比で見ると平均的な水準。ただ、半導体関連という括りで見ると、PER/PBRともに割高な印象はなく、買いやすい水準ではないでしょうか。
特に大きな材料こそありませんが、ほぼほぼ日経平均と同じようなパフォーマンス。年後半にかけて、半導体需要の底入れ観測から大きく値を上げています。
仕入れ・販売ともに主要取引先への依存度が高くなっています。有価証券報告書には特定企業の記載はありませんでしたが、四季報見る限り「キオクシア」が主要顧客になるようです。