ここ数年業績・株価ともに下落が止まらないKLabですが、2024年1月末にストップ高を記録。これはポケットペア社の共同開発を発表したことによるものですが、ではKLabは投資対象としてどうなのか考察していきます。
東証プライム市場に上場する、主にスマホ向けのゲーム事業を行う企業。ソーシャルゲームの開発・運営や受託開発などを主業としており、海外売上比率が高いという特色があります。
BLEACHやキャプテン翼など有名IPの獲得実績が多い一方で、自社IPは苦戦を強いられています。
有名IPを使ってゲーム開発をしたい企業は多くいますが、その中でも獲得実績が多いわけですね。
ゲーム事業の他にもリサーチ&コンサルティングなど「その他」事業もありますが、事実上ゲーム事業一本での事業運営となります。
海外比率は約5割。欧米や中華圏が主力地域となりますが、その他中東や成長著しい東南アジア及び中南米へも積極的に展開していくとしています。
日本のコンテンツの強さを感じますね!
2021年以降は3期連続で赤字を計上。コロナ禍でゲーム市場全体は活況な一方で、競合が多く参入し競争が激化したこともあり、既存タイトルの減衰が継続しており苦しい状況です。
営業赤字にソフトウェア資産の減損損失も加わり、2021年以降3期連続の赤字。それに伴い、取締役の月額報酬の減額などを行い、立て直しを図っている状況です。立て直しが急務であり、資本政策に関する言及はありません。
いずれの指標も及第点で問題はありませんが、赤字が続いてることもあり年々悪化傾向です。
事業投資資金を確保しつつ、内部留保とのバランスを保ちながら株主還元策を検討するとし、還元方法について配当よりも自社株買いを優先しています。
直近1年のパフォーマンスを日経平均と比較したのが上図。日経平均を大きくアンダーパフォームしていますが、時より大きな上昇や下落している場面も。その理由は以下の通りです。
2023年は業績を非開示としていましたが、四半期決算ごとに前年同期比を下回る決算を発表。赤字幅が更に拡大することに嫌気され、2023年は年間を通じて株価が下落基調で推移しています。
2024年1月末に株価はストップ高を記録するなど大幅上昇。人気ゲーム「パルワールド」などを手掛けるポケットペア社とハイブリッドカジュアルゲームの開発・運営を共同で行うこと発表したことに好感が集まったことが理由です。
2024年2月中旬に2023年度通期決算を発表。四半期の悪い流れの通り赤字になったことに加え、ソフトウェア資産の減損損失も加わり最終赤字が拡大したことで、株価が大きく下げています。