23/6期は過去最高益を記録するなど業績拡大中のメルカリ。にも関わらず、一時の株価7000円台から4分の1程度まで株価が下落している理由は成長率の鈍化とアメリカ事業の低迷が挙げられます。
今回はその具体的な内容や、メルカリの企業詳細について考察していきます。
フリマアプリ「メルカリ」を運営するIT企業。2014年に設立し、わずか4年後の2018年に上場、現在では東証プライム市場に上場している企業になります。
海外売上比率は3割弱。会社設立の2014年からアメリカでもフリマアプリの事業を展開していますが、赤字続きの不採算事業となっています。
赤字ながら市場規模が日本の9倍あるため、見切ることもできない手詰まり状態な印象です
21/6期に黒字化を達成するも、翌年はアメリカでの広告宣伝費増やFintech領域への投資がかさんだことで赤字に転落。ただ、翌年はコストカットなども進み再び黒字化を達成しています。
事業内容次第であり、資本政策等への取り組みは行なっていません。
アメリカでの広告宣伝費やFintech領域に積極的に事業投資。それに伴い借り入れが増えているため、財務はリスクを負って成長投資を行っています。
配当の実績はありません。
現時点では成長過程にあると考えており、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当することが還元につながるとしており、配当は行っていません。
23/6期のEPSベースでPERは20倍強であり、一時期よりはPERもだいぶ低下しています
2021年11月末には7,000円台をつけた株価はその後急降下。一時は持ち直しつつあったものの、直近1年は下落傾向が続いており、上場来高値から4分の1程度にまで株価が下がっています。
株価が低迷している理由として以下の2点が挙げられます。
売上及び売上四半期伸び推移が上図の通りです。前期比伸びが明らかに鈍化しており、当初想定されていた高いPERに見直しが入ったことが株価下落の一因だと考えられます。
高PER銘柄は業績の伸びが鈍化することで、PERの調整が入る可能性があるので注意が必要です
2024年2月には第2四半期決算を発表。米国事業の頭打ち感やコア営業利益の伸び鈍化が嫌気され、一時12%超安になるなど株価が大きく下落。
米国は赤字ながら、マーケットの大きさに期待して投資を行なっていましたが、その米国ですでに頭打ち感が見られたことで期待値が低下したと考えられます。
一時期に比べPERはだいぶ低下したので、これからの決算で再び業績拡大の期待が高まれば、株価が反発する期待も