低PBR対策次第で大化け期待の銘柄!【高配当MAG.厳選】
2024/01/15東京証券取引所から「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示状況が公表されました。
その資料を抜粋したのが上図になります。中でもに気になったのが、時価総額の小さい企業ほど対応が進んでいないということ。
個人的にはこの中小型株こそ、資本政策が不十分で割安に放置されている企業が多く潜んでいると考えています。
- 低PBR対策が進みやすい企業の特徴
- 低PBR対策が進みやすい企業のスクリーニング方法
- 高配当MAG.厳選の6銘柄の紹介
低PBR銘柄に期待すること
資本政策による割安の是正
PBRが低い≒市場の評価が低く割安と考えることができます。ただ、市場の評価が低いままではいつまで経っても割安のまま株価の上昇は期待できません。企業には株価上昇へのきっかけ作りが求められます。
成長投資による業績の拡大や、ポートフォリオ改革による収益性の改善などが本質的な企業価値の向上策ですが、これらはすぐ効果が出るものではなく時間を要します。
一方で、是正に向けて最も手っ取り早い手段と考えられるのが「株主還元の強化や財務戦略」であると考えられます。
株主還元強化・財務戦略
株主還元の強化をするとなぜPBRの是正につながるのか?
分かりやすく例えると、配当利回り3%の銘柄が一株配当を倍にすると配当利回りも倍(6%)になります。するとその配当利回りの高さに買いが集まり、株価が上昇。するとPBRも上昇という流れです。
最近だと藤倉コンポジットなんかがこれに近い例(アクティビストの存在もありましたが)だと言えます。
では、どのような条件の銘柄が株主還元の強化が進みやすいのでしょうか?
低PBR是正が進みやすい銘柄の特徴
業績の安定感
売上や利益(営業利益、経常利益、当期純利益)、資本効率が安定している銘柄。逆に安定していない銘柄はいざという時のために余分にキャッシュを持っておく必要があるため、なかなか株主還元には資金が回しにくくなります。
景気に敏感な銘柄(半導体や自動車など)ほど手元のキャッシュが余分に必要です!
財務の健全性
当たり前ですが運転資金の確保で一杯一杯の企業は株主還元を強化する余力はありません。自己資本比率や有利子負債比率、流動比率、ネットキャッシュ比率が高いことが求められます。
キャッシュがダブついてる企業はアクティビストにも狙われたりしますね。
配当の推移
配当の推移を見ることで企業フェーズを測ることができます。成長期にあたる企業は配当ではなく、成長投資に資金を回していますが、そうではない企業は株主還元に資金を回すことができます。
過去の配当の推移を見ることで、企業がどのフェーズにあるのかを確認することができます。
特徴は分かりましたが、では具体的にどのように企業を探せば良いでしょうか?
スクリーニング方法
スクリーニング条件
- 時価総額:1000億円未満
- PBR:1倍未満
- 自己資本比率:70%以上
- 実績ROE:8%以上
- 予想配当利回り:2%以上
スクリーニングツール
スクリーニングにはマネックス証券の銘柄スカウターを使っています!
マネックス証券
- 単元未満株の買付手数料と投資信託の購入時申込手数料が無料
- 銘柄スカウターなどツールや投資情報が充実
- IPO(新規公開株)の取り扱い銘柄数が多い
条件合致企業
5つのスクリーニング条件、銘柄スカウターを活用して抽出された銘柄が上図の通りです。調査時点では約40社の企業が該当しました。
過去の業績推移も踏まえ、この中から6社に厳選しましたのでご紹介します!
ピックアップ銘柄
サンコーテクノ
- アルコール検知器特需で3期連続最高益
- 10期以上連続非減配の安定配当
- 配当性向低く、資本政策次第で大化けも
菊水ホールディングス
- 車載向け好調で過去最高益更新見込み
- 無借金経営でキャッシュ豊富
- 総還元性向30%とまだ配当余力あり
FCホールディングス
- 政府の国土強靭化対策後押し
- 営業利益率14%、ROE11%の高収益
- PBR1倍割れ対策で株式分割検討中
ヤマダコーポレーション
- 産業用ポンプ好調、円安も追い風で利益上振れ
- 財務安定で手元のキャッシュや資産も豊富
- 今季も増配予定で12期連続増配
イエローハット
- 7期連続最高益更新中の好調な業績
- 10年以上続けてROE8%超えの安定感
- 13期連続増配に加えて株主優待も充実
シイエム・シイ
- 自動車向け軸に海外技術仕様書続伸
- ネットキャッシュ100億円超えの安定財務
- 10年以上非減配の安定配当
この6銘柄はいずれも、資本政策の見直し次第で大化けのポテンシャルを秘めていると考えています!
まとめ
- 東証が資本コストを意識した経営に取り組んでいる企業を開示
- 時価総額の低い中小型株ほど取り組み進んでおらず、まだまだ伸び代がある
- 企業価値向上策で最も短期的に効果が出るのは株主還元強化、財務戦略
- それを行うには過去の安定業績、安定財務、配当方針が重要
- 条件をもとに企業をスクリーニング。これら企業は資本政策次第で大化けのポテンシャルがある