安定業績かつ配当利回り5%超の高配当水準である日東工業。ROEを改善するための試みとして23/3期と24/3期の配当性向を100%にしていることが配当利回りが高い要因です。
では、この水準が続くのか日東工業への投資妙味はどうなのかについて今回は考察していきます。
愛知県長久手市に本社を構える、配電盤等が主力の電気機器メーカー。
家の中、商業施設、工場等の電気を使うところには必ず必要になる製品・設備を手掛けており、それら機器を収納するキャビネットも高いシェアを誇ります。
24/3期は過去最高の売上見込み。民間設備投資が増加基調であることや、価格改定に伴う売上増加を見込んでいます。
中期経営計画最終年の24/3期に向けてROE8.5%以上を目標に。ROEを最重要KPIとし、肥大化した自己資本に歯止めをかけるため、株主還元を大幅に強化しています。
有利子負債以上に手元の現金を有しており実質無借金経営となります。いずれの指標も香水中で財務は全く問題ありません。
配当を増額してるので、今の水準が続くか24/3期以降のキャッシュフローに注目したいですね。
財務状況やROE水準などを総合的に勘案し、配当を実施していくとしています。2023中期経営計画の2期(23/3期および24/3期)では連結配当性向100%を目標に。
24/3期は5月の通期予想発表タイミングから一貫して好パフォーマンス。業績が好調であることに伴い配当も上方修正。配当利回りも高いことから、年間通じて日経平均をアウトパフォームしています。
ただ、中期経営計画が最終年ということもあり、配当の権利落ちでだいぶ下落しています。
国内での売上比率が高いため、成熟市場であるだけにいずれ業績が頭打ちになる懸念があります。また、現状の配当性向100%を掲げているのは24/3期までのため、新たな方針次第で株価が大きく下落する可能性があるので注意が必要です。
ただ、財務は固くキャッシュも豊富なだけに、いきなり配当性向をガクッと下げるリスクは少ないのでは無いかと考えています。