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【世紀東急工業】資本政策見直しで株価2倍超!配当利回り4%超の高配当株化で将来性は?

2023年5月に株主還元方針を大幅に見直したことで配当利回りが急上昇。結果、市場評価も急上昇したことで株価も2倍以上に成長中の注目銘柄を考察していきます。

こんな人におすすめ
  1. 配当利回り4倍超の高配当株を探している
  2. 配当方針にDOEを採用している安定配当銘柄が好み
  3. 世紀東急工業への投資判断に迷っている
結論

※A〜Hの投資分類はこちらを参考にしてください。

世紀東急工業会社概要

東急グループ

東急グループに属する建設会社。1950年に「世紀建設工業」として設立し、1982年に「東急道路」を合併し現在の社名に変更しています。

強み・特徴は?

建設事業は公共案件が多く占め、昨今の「国土強靭化対策」は建設需要を支える追い風に。

事業ポートフォリオ

セグメント詳細
  • 建設事業
    • 舗装:道路建設及び舗装
    • 土木:宅地造成などの一般土木から貯水・堤防・河川整備など
    • 環境・景観:陸上競技場のトラックや野球場、テニスコード等
  • 舗装資材製造販売事業
    • アスファルト混合物の製造・販売

海外比率

海外比率は10%未満のため、詳細に関しては公表していません。

こいち

建設・土木関連は海外展開が進みにくいだけにどうしても市場が限られてきますね。

世紀東急工業IR情報(業績/財務/配当)

売上/営業利益率

業績上昇/下落要因

道路建設市場においては政府の国土強靭化対策もあり堅調に推移。一方で23/3期は原材料価格高騰の影響で収益性が悪化。24/3期は原材料高も一服し、業績反転見込み。

EPS/ROE

企業価値向上策(資本政策)

ここ数年、自己資本の増加によるROE低下傾向を問題視。2023年5月に株主還元方針の大幅見直しを公表。そのほか、資本コストを下げるためのIR資料の強化など、資本政策を積極的に強化中です。

こいち

見直された株主還元方針は後述しますが、この影響により株価は大きく上昇。

自己資本比率/キャッシュ

  • 有利子負債比率:17.41%
  • 有利子負債額:69.1億円
  • 流動比率:160%

財務の健全性は?

有利子負債額は手元の現金未満であり、実質無借金経営。その他いずれの財務指標も安定の水準です。今後も自己資本比率50%程度を目処に維持していくとしています。

こいち

資本過多にならないよう、ROEなどの資本効率とバランスを意識してるのが良いですね。

配当/配当性向

※2024/02/05時点
  • 配当利回り:4.74%
  • PER:21.29倍
  • PBR:1.75倍
  • 総還元性向:168.6%
  • 株主優待制度:なし

株主還元方針/配当方針

財務と資本効率とのバランスを考慮しつつ、配当性向100%、DOE8%を目標とした株主還元方針に2023年度より変更しました。DOEを採用してるので安定配当に期待できる銘柄と言えます。

こいち

利益は100%株主に還元するとのこと!裏を返すと成長見込みが薄いとも捉えられます。

世紀東急工業競合比較

PER/PBRの割安度

株主還元方針の見直しにより、PER/PBRは急上昇。全社比、競合比のいずれで見ても割安水準とは言えません。

こいち

東亜道路より営業利益は6割くらいですが、時価総額はほぼ同じくらい。

世紀東急工業株価/将来性

株価上昇/下落理由

最近1年は日経平均を大きくアウトパフォームしており、1年で2倍以上の株価に成長しています。上昇理由は主に以下の2点。

  1. 23/3期の反動で24/3期業績が好調に推移していること
  2. 株主還元方針の見直しにより、配当性向が急上昇したこと
こいち

東亜道路も急上昇。業界的に成熟産業だけに、株主還元へ舵を切ってることが分かりますね。

リスク

世紀東急工業のIR資料内でも「中長期的に建設需要の漸減傾向が見込まれる」と記載するなど、内需型の産業なだけに人口減少が見込まれる中で需要が伸びていくとは考えにくいです。業界再編が進んでいく可能性が高いと考えられます。

2019年には道路舗装用のアスファルト合材の販売で価格カルテルを結んだとして課徴金の納付を命令されています。今後もこのような問題が起きると、業績/株価に影響を与える可能性がありますので注意が必要です。

こいち

成長期待こそ薄いですが、当面は高い配当に期待が持てるのでは無いでしょうか。

世紀東急工業まとめ

  • 原材料高による23/3期の減益から24/3期は回復見込み
  • ここ数年のROE低下から、資本政策の見直しに舵を切り株主還元方針見直し
  • 配当性向100%、DOE8%の安定配当に変更したことで、1年で株価2倍以上に
  • 原材料価格次第で業績に与える影響大きく、業績の波がある
  • 配当性向100%は成長投資への行き先が無い裏返しとも言え、業績の伸長は見込みにくい
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