業績の低迷に伴いここ数年は株価も低調なソースネクスト。しかし3月に子会社の上場を目指すとの意向から株価上昇し、その後マネーゲームの様相を展開しています。
今回はそんなソースネクストの企業概要や株価乱高下の背景を考察していきます。
PC用ソフトウェアやIoT機器の販売を主に行う企業。タイピング習得ソフト「特打」やハガキ作成ソフト「筆王」などで実績を挙げ、2017年からは翻訳機「ポケトーク」の販売に注力しています。
ソフトウェア販売及びハードウェアの企画・販売の単一セグメントで事業を展開しています。製品の内訳は上図の通り。
ポケトークは欧米・アジアでの拡販に注力しているものの、売上の国内比率は9割以上。主な販売チャネルは上図の通りです。
主力のPC用ソフトは市場が年々縮小。代替スマホアプリなどの台頭により、年々利益率は低下し22/3期以降は大幅な営業赤字に。
24/3期も当初は黒字化を予定してましたが、利益回復に想定より時間を要しているとのことで赤字に下方修正。
20/3期は自己資本比率70%ありましたが、赤字により借入を増やしているため年々悪化。とはいえ及第点の水準ですが、フリーCFの黒字化に期待。
企業成長に必要な投資額などを総合的に考慮して、利益配分を行なっていくことを基本方針としています。ただ、ここ数年は赤字のため無配となります。
保有株数に応じてソースネクストeポイント(特典ポイント)を贈呈。自社サイトでの購入に使えるポイントになります。詳しくは会社HPをご確認ください。
低調な業績に連動するようにここ数年は低パフォーマンスが続いていましたが、2024年3月に入り株価が急騰。その後も乱高下する展開となっており、主な材料は以下の通りです。
2024年3月8日にAI通訳機を手掛ける子会社ポケトークが2025年中を目指して上場の準備に入ったと発表。上場後も連結子会社であることを前提としており、これを好感して株価が大きく上昇しています。
また、14日には同社の孫会社にあたる米ポケトークの2月度単月の実績が初の営業黒字になったことも発表。
大きく上昇後、過熱感から一時株価は調整。その後またリバウンドで上昇、下落を繰り返すなど短期的な需給で株価が大きく動いています。
まだ実態の業績が付いてきてるわけでは無いので、短期的なマネーゲームの要素が強いかと。