2024年は年初から生成AI関連を中心に株価が大きく上昇。中でも1年で5倍以上に成長しているTOWAはHDM関連銘柄としても大きく注目が集まっています。今回はそんなTOWAに投資する上でのリスクなども踏まえ、投資妙味を考察していきます。
1979年設立、京都府京都市に本社を構える半導体製造装置メーカー。半導体製造の後工程で用いる「半導体モールディング装置」で世界シェアNo.1を誇ります。半導体製造工程とTOWAがどこで活躍してるかを知りたい方は以下をご確認ください。
業界初の高機能AIパッケージ(チップレット製品)に対応できるモールティング装置の製品化に成功。3次元実装含め、次世代パッケージ技術を有する企業として注目を集めています。
主に半導体製造の後工程を受託するOSATに装置を提供しますが、OSATは台湾や中国などのアジアメーカーが強いことから、売上高に占めるアジア比率が高くなっています。
5G関連製品やデータセンター、車載向けなど幅広い分野で半導体需要が急増した22/3期に業績が急拡大。24/3期は半導体サイクルの調整局面で苦戦するメーカーが多い中、落ち込み幅は限定的。
次世代パッケージ向けの投資が続いていることが、落ち込み幅が小さい一因!
資本コストうんぬんやROEに関する言及はなし。成長投資による事業の拡大が最優先のフェーズのため、資本政策等には積極的ではありません。統合報告書はこちら。
事業拡大フェーズではありますが、特に有利子負債が多いわけではなくいずれの水準も及第点であり、財務は問題ありません。
投資や財務改善に向けた内部留保を確保した上で、継続的な安定配当を基本方針としています。具体的な目標数値などは示しておらず、自社株買いも期待はできません。
配当目的の投資には不向き。あくまで売却益狙いの投資対象と考えてください。
次世代パッケージ技術への注目が集まっていることから、株価が急上昇。業績の実態以上に株価が上昇しており、とても割安とは言えません。
直近1年で株価は5倍以上に急成長。24/3期予想はアナリスト予想を下振れするなど、決して良い決算ではありませんが、HBM関連銘柄として大きく注目が集まっています。
現在主流のDRAMチップを積層化する「HBM(High Bandwidth Memory)」は高速・大容量のデータ処理を可能にする次世代技術として、生成AI時代の成長が期待されています。
TOWAもHBM製造の一躍を担う企業として注目を集めていることから、東京エレクトロンやディスコ、東京精密、日本マイクロニクスらと同様に株価が大きく上昇しています。
現時点の業績の実態とは大きく乖離するほどに、将来への期待感から株価が上昇しています。この期待を裏切るような材料があった場合には株価が大きく下落する可能性があるので注意が必要です。
特に中国比率が高く、2021年には中国国内に開発拠点を設けるなど投資を強化。景気の減速もそうですが、中国の安価なメーカーが台頭したりすることがあれば、大きなリスクになり得ると考えられます。