2019年11月をピークに、株価はまだ4割減の水準のJR西日本。2024年も年初来でマイナスパフォーマンスになるなど株価は低調。インバウンド需要は回復したものの、業績はコロナ前に届いていないことから期待値が下がっていることが理由だと考えられます。
その他の株価下落要因と合わせて、JR西日本への投資妙味を考察していきます。
西日本で新幹線・在来線の運営を行う、西日本最大の鉄道会社。近畿(三重県の一部)北陸・中国および九州北部の2府16県に路線(三洋・北陸新幹線、東海道本線などの在来線)を有しています。
新幹線は山陽新幹線と上越妙高以西の北陸新幹線の運営を担っています
日本国内の売上が9割を超えるため、海外売上は公表していません。
インバウンド回復により新幹線、在来線等主力の鉄道が好調。大阪駅近辺の大型ビル(JPタワー等)の開業ラッシュによる関連費用が発生し、営業利益率は低下見込み。
売上ベースではコロナ前を上回るも、営業利益ベースでは当時の水準には届いていません
2025年度以降の財務目標としてROE10%を目安に。財務規律の範囲内で自己株式取得を進めると中期経営計画に記載しています。成長投資として不動産・まちづくりに最も予算を割いていく見込みです。
コロナ禍で大幅赤字を計上。公募増資や保有不動産の売却などを通じて運転資金の確保に動いたものの、財務指標はまだ安定した水準とは言えません。
長期安定的な株主還元と持続的な企業価値・株主価値向上の推進を基本方針に、配当性向35%以上とする安定的な配当を掲げています。
株式保有数と保有期間に応じてJR西日本グループ会社で利用できる株主優待割引券等を贈呈しています。詳しくは会社HPをご確認ください。
2024/06/24までの年初来パフォーマンスは上図の通り。好調な日経平均を尻目に、3,000円近辺で上値が重い展開となっており、年初来でもマイナスパフォーマンスとなります。長期で見てもコロナ前からは約4割減と低迷していることが分かります。
コロナ前のピークから乖離している理由としては、コロナ前の水準にまで業績が回復していないことや、2023年に行った増資の影響だと考えられます。
インバウンドは回復したものの、リモートワークの浸透などによる行動様式の変化が影響して、主力の運輸事業は当時の水準には戻らないのではないかとネガティブ視されています。
財務も良くはないので、成長投資の余力が高くないことも成長期待が低い理由と考えられます