24/5期は17期ぶりの過去最高益予想で大幅な増配を発表。予想配当利回りは約3.5%と急上昇し、一躍高配当銘柄にラインナップしたコーセル。本銘柄の魅力やリスクなどに関して考察して行きます。
※A〜Hの投資分類はこちらを参考にしてください。
富山県に本社を構える電源メーカー。国内シェア首位級のスイッチング電源をはじめ、直流安定化電源装置やノイズフィルターの製造・販売を行います。
海外比率は約40%。2018年にPRBX製品を製造するスウェーデン電源メーカーを買収しており、そのシナジーを生むためにも欧州ビジネスの強化を重点戦略の一つに掲げています。
スマホやPCなどのデジタル製品は軟調も、自動車や産業機器向け需要が堅調。部材の調達状況も改善したことにより、顧客の生産が増産基調にあるとしています。
円安も追い風に17期ぶり最高益更新予想。
第10次中期経営計画の最終年度に当たる2025年度に向けてROEの目標は10%に設定。23/5期には10億円規模の自社株買いも実施しています。
具体策にこそあまり言及していませんが、株主還元はそこそこに行っています。
有利子負債以上に手元の現金を有しており、実質無借金経営。現金から有利子負債を引いたネットキャッシュは100億円を超え、総資産に占める割合は20%を超えるキャッシュリッチ企業です。
成長投資に向かうか株主還元に向かうか、財務体力はバッチリです。
業績に連動した配当を行っており、連結配当性向35%を目安に利益還元を行うとしています。
目安値を超えて配当は出してますが、安定配当とは言い難いですね。
全社比で見ると割安ですが、業界全体で低調なため競合比では高い指標。サンケン電気はパワー半導体銘柄として注目を集めているため、やや比較対象とはしずらい側面があります。
オリジンや新電元工業と比べると安定して収益を出すことができています。
ここ1年はほぼほぼ日経平均と同じようなパフォーマンス。競合比では大きくアウトパフォームしており、24/5期通期見通しにおいて上方修正を行い、17期ぶりに過去最高益更新見通しであることで注目を集めています。
2024年の年始に起きた震災の影響が懸念されていますが、今のところ生産には影響がないと報告を行っています。サプライチェーンの状況は確認中としており、中小企業だけにこれら部材の調達リスクなどは常に起こりうる問題と言えます。