2期連続過去最高益更新予想ながら、2024年に入り株価下落中のオリエンタルランド。筆頭株主の京成電鉄が同社の株を売却することを発表したことや、25/3期予想がコンセンサスを下回ったことが理由だと考えられます。
そんなオリエンタルランドは投資対象としてどうなのかについて考察していきます。
東京ディズニーリゾートを経営する京成グループの企業。アメリカのウォルト・ディズニーカンパニーとのライセンス契約により、1983年に東京ディズニーリゾートを開園し、運営を続けています。
日本国内のみの事業展開であり、海外売上はありません。
コロナ禍で赤字に転落するも、業績はV字回復。値上げやインバウンドの回復効果もあり24/3期も過去最高益を更新しています。
25/3期も最高益を更新見込みながら、株価低下の理由とは?
テーマパークへの成長投資に積極的な一方で、すでにバリュエーションが高いこともあってか資本政策は無難といった感じです。
コロナ禍でフリーキャッシュフローも大幅赤字で自己資本比率も低下。ただ、依然70%前後と高い水準であり、フリーキャッシュフローも回復してるので、財務は全く問題ありません。
2024中期経営計画では安定配当を目指し、2019年以前の水準に戻すことを一つの目標としていましたが、24/3にクリアする見込みです。
コロナ禍のような有事では減配してますが、概ね安定した配当水準と言えます
通常の株主優待制度として「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」どちらかで利用可能な1デーパスポートを贈呈。配布枚数や年間の配布回数は保有株式数や保有期間に応じて異なるため、詳しくは会社HPをご確認ください。
個人投資家に人気の所以はこの株主優待!長期保有でさらに贈呈枚数が追加されます
2024/05/01を起点とした1年のパフォーマンスは上図の通り。年間で10%のマイナスとなっており、特に2024年は1月以降軟調な展開が続いていることが分かります。その理由は以下の通り。
オリエンタルランドの筆頭株主である京成電鉄がオリエンタルランド株の一部を売却することを発表。京成電鉄は事実上の持ち合い株式として保有する同社の株をアクティビストの要求に応えて売却を決めました。
これによりオリエンタルランド株は需給が悪化するとの見方から、一時5%弱の安値をつけるなど株価の下落につながっています。
売却は発行済み株式数の1%相当。想定よりも少なかったことから、引き続き売却を迫られる可能性も
4月末には24/3期の決算を発表。過去最高益を更新し、25/3期予想も2期連続で最高益見込みを発表しましたが、新エリア開業で期待されたほどの見通しでなかったことから、株価が下落する展開となっています。
PERが高いだけに業績への期待も大きく。最高益とはいえ、コンセンサスを下回ったことが嫌気されています。ただ、依然としてPERは高く個人的には割高と考えています