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【ピジョン】株価下落の理由は?配当目的での長期保有は不安が残る?

配当利回り5%超で高配当株投資家からも注目のピジョン。ただ、株価は下落傾向にあり、その理由は業績の不振、中国リスク、PER/PBRの高さなどが考えられます。では、投資対象としてどうなのかについて今回は考察していきます。

こんな人におすすめ
  1. ピジョンへの投資判断に悩んでいる
  2. ピジョンの株価下落理由が知りたい

ピジョン会社概要

育児用品メーカー

育児用品を扱うメーカーで業種はその他製品に分類される企業。特に哺乳瓶は世界シェア1位であり、日本のみならず世界中に展開しているグローバルカンパニーです。

事業ポートフォリオ

セグメント詳細
  • 日本事業:ベビー、ママ関連製品/保育・介護サービスなど
  • 中国事業:「ピジョン」ブランドでのベビー、ママ関連用品
  • シンガポール事業:「ピジョン」ブランドでのベビー、ママ関連用品
  • ランシノ事業:「ランシノ」ブランドでのベビー、ママ関連用品

海外比率

海外比率は6割強。中でも中国比率が日本とほぼ同等であり、重要な市場となります。

ピジョン過去業績

売上/営業利益率

業績上昇/下落理由

2023年は減収減益。中でも中国事業が第4四半期に処理水問題の影響で失速したことが響き、従来予想を下振れての着地となっています。

EPS/ROE

着眼点
  • EPSは上昇傾向
  • ROEは8%を継続的に超えているか(8%未満の場合は上昇傾向かどうか)
  • 資本政策に積極的に取り組んでいるか

企業価値向上策/資本政策

25/12期を最終年度とする中期経営計画ではROE14%以上、ROIC15%以上を目標に掲げていますが、ここ数年は右肩下がりで10%を割り込む水準に。資本政策への意識は高いですが、収益性の下落に歯止めがかかるか注目です。

自己資本比率/フリーキャッシュフロー

23/12末時点
  • 有利子負債比率:0.1%
  • 有利子負債額:0.76億円
  • 現金等:344億円
  • 流動比率:478%

財務の健全性は?

有利子負債以上に手元の現金を有しており実質無借金経営となります。フリーCFも10年以上黒字続きで財務の健全性は高いです。

配当/配当性向

※2024/03/28時点
  • 配当利回り:5.22%
  • PER:22.93倍
  • PBR:2.25倍
  • 総還元性向:125.3%
  • 株主優待制度:なし

株主還元方針/配当政策

財務基盤の充実を図りつつ、積極的な利益還元を行うことを基本方針としています。中期経営計画においては、現在の配当水準を維持した上での安定的な配当継続とうたっています。

10期以上非減配の安定配当ですが、一方で配当性向が100%を超える状態が続いているため注意が必要です。

こいち

現中経まで(〜25/12期)は減配なさそうだけど、業績がこのままだとその先は少し不安です。

ピジョン株価推移

PER/PBRの高さ

当初よりPER/PBRは高く、市場からも今後の成長性が見込まれていました。一方で直近の業績の伸びはPER/PBRに見合うものではなく、徐々に資金が出ていっていると考えられます。

業績の下振れ

前述の通り、2023年は通期決算にて当初予想を下振れしての着地。2018年から2019年をピークに業績が低下傾向であることも株価が低調な一因と考えられます。

中国リスク

同社の売上の約3割が中国です。汚染水問題に端を発する日本製品の不買活動の影響や、経済不振、少子高齢化の懸念などカントリーリスクは高いと言えます。生活必需品なので大崩れこそしないものの、市場環境は逆風であることも一因ではないでしょうか。

こいち

PER/PBRは依然高い値なので、業績が好転しない限りは株価は低迷するのではないかと考えています。

ピジョンまとめ

  • フリーCFは黒字続きで財務の健全性は高い
  • 10期以上非減配かつ配当利回りも5%を超える高配当銘柄
  • EPS、ROEが2017をピークに右肩下がりで低下傾向
  • 配当性向は100%超が続いており、現中期経営計画が終わる26/3期は不安
  • 元からPER/PBRが高かったことや中国リスク、業績低迷から株価軟調
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