【アドバンテスト】今から投資して大丈夫?エヌビディアに独占供給の生成AI関連銘柄を解説
直近1年で株価は2倍以上に成長し、生成AI関連銘柄としても注目のエヌビディア。ただ、すでに株価は将来の高成長を織り込んでおり、中長期投資として今から検討するのはリスクが高いと考えています。その理由について解説していきます。
- 半導体関連銘柄の成長株を探している
- AI関連、エヌビディア関連銘柄を探している
- アドバンテストへの投資判断に悩んでいる
アドバンテスト会社概要
半導体検査装置メーカー
1954年設立の半導体検査装置メーカー。半導体検査装置市場はアドバンテストと米テラダインの2強であり、中でもアドバンテストは非メモリー用(SoC)が中心となります。
強み・特徴
米エヌビディアが手掛けるGPUの検査装置はアドバンテストがほぼ独占。生成AI用途で引き合いが急増しています。
事業ポートフォリオ
- 半導体・部品テストシステム:SoC半導体テスト用、メモリ半導体デバイス用
- メカトロニクス関連:半導体デバイスをハンドリングするハンドラ等
非メモリが主力
半導体検査装置(半導体テスタ)は用途別に「SoCテスタ」と「メモリテスタ」の2つに分けられます。アドバンテストは前者のSoC(一つの半導体チップ上に様々な集積回路などを載せてもの=非メモリ)が主力となります。
海外比率
海外比率や90%超。アドバンテストの検査装置は半導体製造工程の後工程に用いる装置ですが、後工程の製造受託(OSAT)事業者はアジアに多いことから、アジアでの売上比率が高くなっています。
アドバンテスト過去業績
売上/営業利益率
業績上昇/下落理由
23/3期にかけてHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)やAI関連の半導体向けの需要が拡大。自動車向けなども好調に推移し、大幅増収増益になりました。
24/3期はスマホなどの最終需要が減少していることで、余剰在庫や生産調整が発生しているため、減収減益の見込み。
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
12/3期〜14/3期の最悪期を脱出後、ROEは非常に高い値で推移。ROEの向上を目指し、キャピタル・アロケーションも公表していますが、現時点では成長に向けた事業投資を優先するフェーズであるとしています。
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 有利子負債比率:13.79%
- 有利子負債額:508億円
- 現金等:855億円
- 流動比率:214%
財務の健全性は?
いずれも安心の水準であり、財務は健全です。毎年200億円をゆうに超えるフリーキャッシュフローを稼いでおり、それを原資に設備投資やM&Aに充てていくとしています。
配当/配当性向
- 配当利回り:—%
- PER:76.14倍
- PBR:12.22倍
- 総還元性向:57.8%
- 株主優待制度:なし
株主還元方針/配当政策
23/3期を最終とする第2期中期経営計画では通期25円を下限に、安定的な配当を継続するとしています。目安としては総還元性向50%以上としており、中経内では数百億円規模の自社株買いを実施しています。
第3期中期経営計画は5月頃に公表されるのでは?
アドバンテスト株価/将来性
株価上昇理由
直近1年で2倍以上に株価は成長しており、日経平均を大きくアウトパフォーム。減収減益予想の24/3期予想を裏目に株価は大きく上昇しています。上昇理由としては以下が考えられます。
25/3期以降の半導体市況の回復
24/3期はシリコンサイクルの底であり、半導体関連の業績は軒並み低調。一方ですでに25/3期以降の回復を市場が織り込んでいるため、減収減益予想の一方で株価が上昇しています。
24/3期はスマホ向けのハイエンドSoCテスタが不調で下方修正するなど、足元は結構苦しい業績。
生成AI(エヌビディア)関連としての期待
生成AI向けGPUは米エヌビディアの独壇場ですが、同社に対しアドバンテストは半導体検査装置をほぼ独占して供給しています。
米エヌビディアの業績が市場を大きく上回るパフォーマンスを上げ続けていることで、関連銘柄としてアドバンテストの株価も大きく上昇しています。
もちろん、テラダインも黙ってはいないと思うので今後の競争にも注目。
リスク
24/3期は減益見込みとは言え、PERは70倍を超えています。最高益を記録した23/3期ベースで見ても35倍を超える水準であり、実力以上に株価が高騰している感じは否めません。
期待が先行してると言えるため、それを裏切るBad Newsが起こった際には株価も大きく調整することが予想されるので注意が必要です。
エヌビディアの決算や、競合の台頭など油断は禁物。今は短期のトレード銘柄の印象です。
アドバンテストまとめ
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