【ENEOS】人気高配当株の業績から見たエネルギーセクターの難しさとは?
エネルギーセクターの銘柄はいずれも配当利回りが高いですよね。ただ、投資の難易度も非常に高いセクターだと考えています。今回は、石油元売り国内トップENEOSホールディングスを調べています。エネルギーセクター及びENEOSへの投資に興味がある方はぜひご覧ください!
日米高配当株投資を中心に投資歴は5年目を迎え、年間配当金は30万円オーバー。保有銘柄の評価益はプラス40%超。
数字(業績)だけの分析だけではなく、コンサル時代の経験も活かした事業分析や考えうるリスクなど、独自の視点で解説してます!
ENEOSホールディングス
会社概要
「ENEOS」、「JX石油開発」、「JX金属」を中核3社に有する持株会社。石油の元売りとして国内シェアは5割に上り、国内トップを誇ります。統合を繰り返した結果、石油の元売りは大きく3社に分類され、そのうちの1社にあたります。
中核3社の中に「JX石油開発」があるように、下流工程だけではなく、上流工程も担います。事業の内訳はまた後述します。
統合の歴史
改めて見ると、すごい業界再編の流れですね。石油元売り事業だけで、これだけ合併、再編の流れがありますが、ENEOSホールディングスはその他事業でもM&Aを通じて傘下に組み入れます。
事業内訳
売上(左図)の9割近くがエネルギー(石油精製販売、基礎科学品、電力、再生可能エネルギー等)。一方、営業利益(右図)で見ると構成ガラッと変わりますが、正直年度によってこの構成も全く違っており、おおよそ利益の6割くらいがエネルギー事業です。
石油開発等の上流工程も担ってますが、ほぼほぼ石油元売りがメインと見て良さそうです。
過去業績
INPEXとは連動しない
エネルギー事業や石油・天然ガス開発は資源価格の変動や、石油等の在庫の評価損益によって業績が大きくアップダウンします。
石油・天然ガス開発を行う、上流工程は資源(原油・ガス)価格がダイレクトに業績に直結しますが、石油精製販売等を行うエネルギー事業は、仕入れ値と売り値の差によって利鞘が大きく変わるため、同じ動きにはならないです。
そのため、INPEX などの上流をメインとする企業とは、業績があまり連動していません。
脱炭素シフトも
最終赤字になることもちらほら。脱炭素に向けて、再生エネルギー、水素、バイオ燃料などを長期ビジョンとして取り組んでいくとしていますが、テーマが幅広過ぎて正直あまり中長期的なイメージが湧きづらいですね。
競合並
出光興産、コスモエネルギーホールディングス等の競合他社と比較しても、どっこいどっこいの水準。業界平均と言えそうです。
配当利回り4%超え
在庫の評価損益で、業績の変動幅大きいですが、配当は在庫影響除いた利益に対して行うとしています。3カ年平均で、在庫影響除き当期純利益の50%以上を「配当と自社株買い」で還元するとしています。
増配期待は少ないが、減配懸念も少ない(石油のニーズはまだまだあるため)というのが個人的な所感です。
競合比
前期の業績を3社比較してみました。まとめたものの、この業界は業績の上下が激しいだけに、定点観測してもイメージが湧きづらいです。
営業利益率の推移で比較してみたのが、下図です。ほぼほぼ同じ推移ですね。出光興産は一株配当が結構上下するので、配当のみ目的であれば他2社の方が良さそうです。
ただ、いずれにせよ業績のアップダウンが激しい業界です。業績のアップダウンを嫌うものの、エネルギーセクターに投資はしたいという方であれば、 INPEX 等の上流企業の方が合ってるかもしれないですね。
まとめ
- ENEOSのメイン事業は石油元売り(下流工程)事業
- 資源価格や在庫の評価損益など外的要因によって業績の上下が大きい
- ENEOSだけでなく、競合他社もほぼ同じような傾向で、今後は脱炭素にシフト
- 減配懸念は少ないが、増配期待も少ないというのが個人的感想
- 上流の開発を担う企業の方が、幾分か安定しそう
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