【いすゞ自動車】自動車メーカー唯一の高配当株!国内No.1商用車メーカーの将来性は?
景気敏感なイメージが強く、あまり高配当株投資向きではないとされる自動車メーカー。その中でも業績、配当が安定しているのがいすゞ自動車。今回はそんないすゞ自動車について解説していきます。
日米高配当株投資を中心に投資歴は5年目を迎え、年間配当金は30万円オーバー。保有銘柄の評価益はプラス40%超。
数字(業績)だけの分析だけではなく、コンサルの経験も活かした事業分析や考えうるリスクなど、独自の視点で解説してます!
いすゞ自動車会社概要
商用車メーカー
主に商用車(トラック・バス)の製造・販売を行う自動車メーカー。国内トラック市場ではNo.1の座に位置しています。
2020年にはボルボ・グループと戦略的提携を結び、ボルボ・グループが保有していたUDトラックスの株式をいすゞへ売却。UDトラックスはいすゞ自動車の完全子会社となりました。
小型トラック主力
LCV
最も販売数の多いLCVはタイを拠点に世界中で活躍する、1トン積ピックアップトラックが主力。農業が盛んな地域において、トラックほどの積載量は無いものの、簡易的に運ぶことができる車両として人気です。
CV
CVにおいては小型から中型、大型とさまざまなラインナップを扱いますが、得意としているのは中小型トラック。「エルフ」の名称で高いブランド力を築いており、リセールバリューの高さでも有名です。
産業用エンジン
ディーゼルエンジンの製造に強みを持っています。自社製品への搭載のみならず、コンポーネントとして外販。日立建機やコベルコなどの建機向けに販売を行なっています。
- CV:Commercial vehicleの略称でトラック・バスを表します
- LCV:Light Commercial vehicleの略称で小型商用車のこと。いすゞの場合は1トン積ピックアップトラックを表します
海外比率
海外比率は約70%。主に展開しているのがアジアで、タイや中国で多くのシェアを誇ります。その他、アフリカや中東など新興国を中心に展開。新興国では仕事と生活の両面から大衆に人気のLCVが主力となります。
アフターマーケット
新興国で強みを持つ理由が、アフターサービスの充実です。普通自動車と異なり差別化が難しいとされる商用車。長く安心して使うことができる、故障時の対応や補修部品の供給体制などが支持されている理由です。
いすゞ自動車過去業績
売上・営業利益率
19/3期前後は業績に頭打ち感が見られていたものの、22/3期以降業績を大きく伸ばしています。円安による業績の押し上げ効果があったことに加え、CV、LCVともに海外での売上が拡大していることが要因に挙げられます。下図の通り、日本はすでに頭打ちで下落傾向があるものの、海外がいずれも伸びていることが分かります。
EPS/ROE
2010年代の前半からROEは右肩下がりですが、これは自己資本比率を高めてきた結果であり、以前として10%超えの高水準をキープ。自動車メーカーの中でもかなり高い水準と言えますので、非常に収益性(効率性)の高い企業であることが分かります。
自己資本比率
2010年頃は20%台だった自己資本比率も40%まで上昇。大型投資を行った年を除くと、フリーキャッシュフローも常に安定して黒字を計上。流動比率も175%と高い値であり、財務は問題ないと言えるでしょう。
配当/配当性向
- 配当利回り:4.55%
- PER:8.88倍
- PBR:1.03倍
- 株主優待制度:なし
2010年以降で減配はコロナ禍の一度のみ。しかも減配幅もさほど大きくなく、その後すぐにそれ以上の配当に戻してることからも、配当は安定していると言えます。配当性向も常に安定しており、前述の通り安定してキャッシュを生むことができる企業ですので安心感がありますね。
いすゞ自動車競合比較
国内は日野自動車と長く2強体制でしたが、日野自動車のエンジン認証不正問題などの不祥事もあり急減速。国内メーカーでは一強体制となり、主に海外メーカーとの競争となっています。
いすゞ自動車株価
日経平均とはほぼほぼ同じようなパフォーマンス。日野自動車比で見ると、不正の件もあり大きくアウトパフォームしています。
将来性
商用車業界の特徴として圧倒的なシェアを持ってるメーカーがいません。日本国内ではいすゞ自動車が強いですが、世界で見ると東風汽車集団(中国)、ダイムラー(ドイツ)、タタ・モーターズ(インド)など多くの企業がひしめき合っています。
いすゞ自動車が得意としているタイなど新興国での競争も激化していくことが予測されるため、決して楽な市場ではないと思いますので、成長性は厳しめに見積もった方が良いのかなと考えてます。
どんな方におすすめ?
企業価値から見た株価の上昇余地は薄いかなと考えております。ただ、業績も安定しており配当も上昇傾向であることから、配当目的の投資には向いている銘柄ではないでしょうか。
いすゞ自動車まとめ
- 国内No.1の商用車メーカーであり、近年は海外で販売台数を伸ばす
- 新車販売のみならずアフターマーケット含めた安定したキャッシュフロー企業
- コロナ禍で減配はあったものの、中長期的には右肩上がりな配当
- 現段階で株価上昇期待は薄いが、安定配当目的の投資には適している銘柄
免責事項はこちら
- 本ブログは株式購入の勧誘や推奨を行うものではありません。何らかの保証・約束するものではありませんので、投資判断はご自身でご判断いただきますようお願いいたします。
- 本ブログで紹介している数字やグラフは、信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その情報の正確性を保証するものではございません。
- 本ブログは、予告なしに内容が変更・削除等されることがあります。
- 本ブログに掲載している情報は、その時点で調査した情報であり、時間の経過とともにその情報が陳腐化している可能性がございます。その場合もいかなる責任は負いかねますのでご了承ください。