【東京エレクトロン】株価下落の理由は?最高値更新後急落の背景を考察
2024年前半は株価急騰により、日経平均を大きく牽引してきた東京エレクトロン。しかし、その後は一転大幅に下落しており、AIバブルの反動や中国リスク、円高進行などが理由だと考えられます。
では、今の株価水準は魅力的なのかについて考察していきます。
- 東京エレクトロンへの投資判断に悩んでいる
- 東京エレクトロンの株価下落理由が知りたい
東京エレクトロン 会社概要
日本一の半導体製造装置メーカー
世界3位、国内首位の半導体製造装置メーカー(1位は米アプライドマテリアル、2位は蘭ASML)。コータデベロッパーをはじめ、複数の世界シェアNo.1の製品(製造装置)を有し、中でも前工程向けの装置に強みを持ちます。
事業ポートフォリオ
有価証券報告書においては報告セグメントを「半導体製造装置」の単一セグメントで事業を展開しています。
半導体製造装置の中でも単一の製品ではなく、複数の製品群を有しています
海外比率
中国・韓国などのアジアを中心に海外比率は約9割。
中国比率が4割を超えており、後述しますが中国リスクは考慮しておく必要があります
東京エレクトロン 過去業績
売上/営業利益率
業績上昇/下落理由
24/3期は半導体需要の調整局面にあたり減収減益。25/3期は生成AI用の高性能DRAMの回復見込むも、主戦場の中国向けが伸び悩んでいることや為替の見通しも不透明な面がある点は不安材料と考えられます。
強みの前工程に加え、今後の技術革新が期待される半導体後工程向けも開発を注力しており、更なる業績拡大の鍵になりそうです
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を目指し、ROE30%以上を目標に掲げています。配当や自社株買いなどの株主還元も積極的に行なっています。
半導体事業一本で事業を展開してますので、シリコンサイクルによる業績のアップダウンは否めないです
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 有利子負債比率:0%
- 現金等:4616億円
- 流動比率:277%
財務の健全性は?
有利子負債は抱えておらず、無借金経営。いずれの指標も盤石であり、財務の健全性は非常に高いです。
配当/配当性向
- 配当利回り:2.33%
- PER:21.51倍
- PBR:5.84倍
- 株主優待制度:なし
株主還元方針/配当政策
内部留保資金を有効活用し、成長分野に重点的に投資するとともに、業績連動型の配当を基本方針としています。配当性向の目安は50%を目処としています。
現状のキャッシュポジションを鑑み、自社株買いも機動的に実施するとしており、24/3期も1,199億円の自社株買いを実施しています
東京エレクトロン 株価推移
直近パフォーマンス
2024/09/10までの年初来パフォーマンスは上図の通り。2024年3月から4月にかけては株価40,000円に迫るなど上場来高値を記録したものの、その後は大幅に下落が続いており年初来マイナスの低調なパフォーマンスとなっています。
株価下落理由
特別大きな材料があるわけではなく、AIバブルの反動が大きいのでは無いかと考えていますが、下落の材料としては以下が考えられます。
- 中国リスク
- エヌビディアの株価下落
- 円高進行
中国リスク
株価下落の始まった7月後半にかけて、米国が対中措置で半導体規制強化を検討しているとの報道が広がりました。まだ、具体的にはなっていないものの、中国比重の高い東京エレクトロンのリスクが顕在化したことが一つの要因だと考えられます。
今後も米中の貿易争いの行方次第で、株価が動く可能性があるので注意が必要ですね
エヌビディアの株価下落
AIブームの牽引役は米エヌビディアでしたが、業績は堅調な一方で株価は下落する場面が続いています。AIバブルで期待値が高くなりすぎていた側面もあり、東京エレクトロンなどの関連銘柄にも反動が出ていると考えられます。
ただ、中長期的には半導体需要は増えていく見込みですので、だいぶ魅力的な水準になってきているとも言えます
円高進行
海外比率が約9割なだけに、為替の影響は大きいです。円高が加速することで、業績予想を下ぶれるのではとの懸念から、今後も株価が動く可能性があるので注意が必要です。
東京エレクトロン まとめ
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