【富士石油】株価上昇の理由とは?出光興産との資本関係強化による思惑
2024年に入り出光興産との資本関係強化により、株価上昇中の富士石油。TOBするのでは?との思惑などが加わったことにより、株価が大きく変動する展開となっています。
今回はその背景や富士石油がどのような会社なのかについて考察していきます。
- 富士石油への投資判断に悩んでいる
- 富士石油の株価上昇理由が知りたい
富士石油 会社概要
中堅石油会社
2003年設立の中堅石油会社。中東を中心に南米など世界各国から原油を輸入し、石油の精製を行い、国内外の企業等へ石油製品(燃料油、ナフサ、重油など)の販売を行います。
事業ポートフォリオ
石油精製・販売事業のみの単一セグメントになります
石油開発は行っておらず、下流工程を中心としたINPEXよりはENEOS寄りのビジネスモデルになります
海外比率
中東などから輸入した原油を精製して国内外へ販売しますが、販売先は日本国内が90%以上を占めています。
富士石油 過去業績
売上/営業利益率
業績上昇/下落理由
23/3期は経済活動の再開に伴う石油需要の回復や、ウクライナ戦争を起因とした原油高の影響を受け売上が上昇しています。
ただ、営業利益率は0%台と低く、大手(ENEOS、出光など)と比較して儲けが低いことが分かります
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
2024年度ROE10%以上を目標としていますが、アップダウンが激しく。ROEに連動などに連動する報酬制度を導入するなど意識は向いてますが、資本政策の具体策などはあまり公表していません。
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 有利子負債比率:225.33%
- 有利子負債額:1611億円
- 現金等:83.3億円
- 流動比率:93%
財務の健全性は?
自己資本比率は低く、フリーキャッシュフローもここ2年赤字続き。有利子負債も多く、財務の健全性は低いです。
配当/配当性向
- 配当利回り:2.11%
- PER:5.31倍
- PBR:0.44倍
- 株主優待制度:なし
株主還元方針/配当政策
業績及び資金バランス等を勘案の上、安定的な配当の継続に努めるとしていますが、配当性向の目安は示していません。
業績が不安定なため、実際は配当も安定感が無く、無配の年もあります
富士石油 株価推移
2024年3月末から4月にかけて株価が大きく上昇。主な理由としては以下となります。
出光興産と資本関係強化
3月末に主要取引先の出光興産が筆頭株主(当時は5位)に異動する見込みであることを発表。同じく大株主の住友化学が保有する株式を取得するとしており、競争力強化や脱炭素が進むとの見方から株価が大きく上昇しています。
斜陽産業なだけに関係強化による改善に期待が集まっています
持ち分法適用関連会社へ
4月には出光興産と資本・業務提携に関する合意書を締結と発表。住友化学に続きJERAが保有する株式を取得し、持ち分法適用会社とする予定であり、提携の強化に改めて期待が集まり株価が上昇しています。
TOBするのでは?との思惑も株価上昇の要因であり、思惑が外れたことからその後下落したとの見方も
富士石油 まとめ
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