【小野薬品】株価下落の理由は?年初来安値更新の背景や投資妙味を考察
営業利益率30%前後の好収益企業ながら、2024年は株価下落続きの小野薬品工業。低調な決算や、レーティングの引き下げ、事業環境の悪化などを嫌気され、株価が下落していると考えられます。
そんな小野薬品は投資対象としてどうなのかについて考察していきます。
- 小野薬品への投資判断に悩んでいる
- 小野薬品の株価下落理由が知りたい
小野薬品工業 会社概要
中堅医薬品メーカー
中堅医薬品メーカー。医療用医薬品を柱に、がん、免責、神経、スペシャリティ領域を重点に開発。がん治療薬「オプジーボ」が近年の成長を牽引しています。
事業ポートフォリオ
医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。医療用、一般用医薬品の製造・販売を行なっており、医療用では研究開発活動に注力しています。
自社開発の製品が多いことが、小野薬品の特徴です
海外比率
海外比率は4割弱。米州を中心に展開してますが、武田薬品、アステラス製薬などの大手製薬メーカーと比べると海外比率はそこそこといった水準です。
過度に為替を意識しすぎる必要はなさそうです
小野薬品工業 過去業績
売上/営業利益率
業績上昇/下落理由
主力の「オプジーボ」は薬価改定の煽りを受けていることや、米メルク社からの抗がん薬のロイヤリティ料率低下など、悪材料も多く25/3期は減収減益見込みとなります。
ただ、中長期では増収傾向であり、利益率も30%前後を誇る好収益企業といえます
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
24/3期まではEPS・ROEともに右肩上がりで高水準。豊富なキャッシュを誇り、配当や自社株買いなども意欲的に実施しています。
自社株買いは、これまで隔年で数百億円単位行なっています
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 有利子負債比率:1.12%
- 有利子負債額:88.6億円
- 現金等:1661億円
- 流動比率:399%
財務の健全性は?
有利子負債以上に手元の現金を有しており実質無借金経営となります。いずれの指標を見ても申し分なく、財務は優良であることがわかります。
配当/配当性向
- 配当利回り:4.19%
- PER:9.85倍
- PBR:1.11倍
- 株主優待制度:なし
株主還元方針/配当政策
安定的な配当の継続を重視しつつ、業績に応じた配当の配分を行なっていくとしており、配当性向40%をめどに配当を行うことを目標としています。
10年以上非減配かつ、配当利回りも4%超えと高配当株投資の対象としては非常に魅力的です
小野薬品工業 株価推移
直近パフォーマンス
2024/09/14までの年初来パフォーマンスは上図の通り。年初からジリジリ下落続きの低調なパフォーマンスが続いており、足元の9月にも大きく下落しています。株価が下落している要因は以下の通りです。
株価下落理由
- 低調な1Q決算
- レーティングの引き下げ
- 薬価改定などの悪材料
1Q決算は最終益22%減益で着地。見通し通りではあるものの、改めて今期業績の厳しさが認識されています。また、幾度となく大手証券会社等が投資判断を引き下げており、目標株価が引き下がっていることも売られる一因であると考えられます。
その他にも主力薬の薬価改定による収益性の低下懸念や、他社製品販売のロイヤリティが低下することから同社の収益性に陰りが見えるのではと考えられていることも、株価が重い理由だと考えられます。
ただ、財務は良好で配当も安定しており、中長期前提の高配当株投資の対象としては魅力的だと考えています
小野薬品工業 まとめ
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