【ヤクルト】増収増益ながら株価下落の理由とは?今後の展望や将来性について解説
「ヤクルト1000」の躍進により、過去最高益更新中のヤクルト。全世界に展開中で第二のコカ・コーラの呼び声も高い銘柄です。今回はそんなヤクルトへの投資妙味について考察していきます。
ヤクルト
ヤクルト本社
国内最大手の乳酸菌飲料メーカーで正式名称は「ヤクルト本社」。乳酸菌医療品の他、飲料品や医薬品、化粧品の事業を展開しています。
強み/特徴は?
「ヤクルトレディ」と呼ばれる訪問販売網が特徴。日本国内では訪問販売と店頭販売の割合は半々。店頭に比べて販売の継続に繋げやすいという強みがあります。
事業ポートフォリオ
- 飲料・食品:乳製品、清涼飲料、その他の食品(麺類、健康食品)
- 医薬品:医療用医薬品及び一般用医薬品
- その他:化粧品、プロ野球興行
医療用医薬品事業縮小
最主力の抗がん剤「エルプラネット」など8製品を高田製薬に継承。新たな製薬開発も行わない方針を示しており、年々事業の縮小が進みます。
海外比率
海外比率は50%弱。主にアジア・オセアニアを中心に事業を展開。中国市場にも積極的に展開しますが、日本国内と異なり店頭販売がほとんどになります。
ヤクルトIR情報(業績/財務/配当)
売上/営業利益率
増収増益(過去最高益)の理由
日本国内で「ヤクルト1000」の販売が好調。原材料高の影響もあり、海外は減益となるも国内が業績を牽引しています。
EPS/ROE
- ROA:6.76%
企業価値向上策の取り組みは?
22/3、23/3期と2年連続で100億円規模の自社株買いを実施。2024年度 (25/3期)のROE目標は12%に設定しています。
あまり積極的に取り組んでるイメージは無いですが、ROEは10%前後の高い値。
自己資本比率/キャッシュ
- 有利子負債比率:12.76%
- 有利子負債:636億
- 流動比率:239%
実質無借金経営
有利子負債額以上に現金有しており実質無借金経営と言えます。いずれの指標も安定の水準で、盤石の財務です。
配当/株主優待
- 配当利回り:1.78%
- PER:18.73倍
- PBR:1.74倍
- 株主優待制度:あり
株主還元方針/配当方針
継続的な増配を目指すことを最優先としています。24/3期の増配をもって7期連続増配となります。
株主優待
保有株式数と保有期間に応じた株主優待の贈呈を行っています。期末(3末)と中間(9末)保有時点でそれぞれ異なる株主優待があります。
ヤクルト競合比較
PER/PBRの割安度
営業利益は明治ホールディングスを下回るも時価総額は高く。全社比、競合比で見ても割安とは言えないです。海外比率が他社よりも高く、安全性や将来性を評価されていることが分かります。
売上/利益は明治HDを下回ってますが、時価総額は上!
ヤクルト株価/将来性について
株価下落理由
好調な業績ながら年中盤から低下傾向。日経平均を大きくアンダーパフォームする展開となっています。中国・インドネシアなどのアジアにて販売数が前期比で減少していること、利益が予想に届かなかったことが要因に挙げられています。
日本と違って訪問販売比率が低く、業績が凹みやすい。ブランド築けるかが鍵に。
リスク
主要商品は「乳酸菌 シロタ株」を用いたヤクルト類であり、売上の大半を占めます。ブランドの毀損や消費者の嗜好の変化があった場合、業績に大きく影響を与える可能性があります。
第二のコカ・コーラになれるかどうか、今後の世界展開に期待したいですね。
ヤクルトまとめ
- 「ヤクルト1000」が国内で躍進し、過去最高益の更新が続く
- 盤石の財務で実質無借金経営に豊富なキャッシュ
- 配当利回りこそ低いが、7期連続増配の安定配当プラス株主優待
- 中国での販売不振により株価低下。独自の販売訪問活かせない国・地域でブランド築けるかが成長の鍵
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