【中本パックス】業績安定のディフェンシブ銘柄?高配当に加え優待付きの高還元
安定した業績・配当に加え、株主優待(QUOカード)付きの高還元銘柄。今回はそんな中本パックスの事業内容を深掘りし、投資妙味に関して考察していきます。
※A〜Hの投資分類はこちらを参考にしてください。
中本パックス 会社概要
グラビア印刷が事業の柱
グラビア印刷を事業の柱とし、コンビニ弁当やお惣菜などで活用されるプラスチック容器やトレー等の印刷を手がける企業。
海外比率
ベトナム等海外にも展開していますが、海外比率6.54%と比率は高くないです。
事業ポートフォリオ
- 食品:乳製品・惣菜等の容器へ印刷・ラミネート・コーティング
- IT・工業材:電子部品パッケージ材料向けフィルム、EC関連資材
- 生活資材:圧縮袋、キッチン関連商材
- 建材:戸建て・集合住宅向け表面機能コーティング建材
- 医療・医薬:輸液関係包材、医薬品用パッケージ
主力は食品向け
乳製品・惣菜・豆腐用包材向けなど、我々が普段手にするような食品パッケージに中本パックスの技術が活用されています。売上の約6割、営業利益の約4割を食品関連が占めます。
事業内容詳細/成長領域は?
利益率の高い事業は?
主力の食品関連事業は粗利率は低い。一方のIT・工業材、生活資材は食品関連の倍以上粗利率の高い事業であることが分かります。
市場の伸び代は?
粗利率こそ低いですが、主力の食品関連はまだまだ成長。その他、IT・工業材、生活資材、建材とあらゆる分野で売上を伸ばしています。
中本パックス IR情報(業績/財務/配当)
売上/営業利益率
増収も減益の理由は?
製造原価が高騰したことが影響しています。インキ・溶剤などのコストが上昇した一方で、販売価格に転嫁できなかったことが要因です。
ディフェンシブ銘柄?
食品関連が主力であることもあり、コロナ禍でもダメージは無く。向け先的にも景気に左右されにくい銘柄と言えます。
EPS/ROE
PBR1倍割れ
ここ数年は原価上昇でEPS/ROE低下も、22/3期まではROE10%超えの高水準。中期経営計画(24/2期から26/2期)ではROEの目標を13%以上に設定しています。
PBR1倍割れですが、企業価値向上のための取り組みや施策などにはあまり積極的ではないです。
自己資本比率
- 有利子負債比率:50.57%
- 流動比率:127%
財務の安定性は?
盤石とまでは言えませんが、いずれも差し支えない範囲の水準と言えます。
配当/配当性向
- 配当利回り:3.86%
- PER:10.49倍
- PBR:0.81倍
- 株主優待制度:あり
配当方針
事業展開を見据えた内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としています。配当性向の目安などは特に定めていません。
減配のリスクは?
13/2期に微減配はありますが、それ以外は減配なく増配傾向。景気の影響を受けにくい業績もあり、微減配はあれど大ダメージを受けるような減配リスクは低い銘柄です。
株主優待
保有株式数に応じたQUOカードを贈呈。
- 100株以上200株未満:QUOカード1,000円分
- 200株以上:QUOカード2,000円分
中本パックス 株価/将来性について
株価低迷の理由は?
年初来でプラスではあるものの、日経平均比で大きくアンダーパフォーム。内需型の企業である点や、24/2期予想が前期比減益予想であることが影響していると考えられます。
リスクは?
やはり海外比率の低さが特に気になります。国内は需要が増えるとは考えにくいだけに、中長期的な安定配当に向けては海外比率を高めたいところです。
中本パックス まとめ
- 前期は減益となったが、主力の食品関連事業は景気に左右されにくい業種なだけにディフェンシブ銘柄ともいえる
- 成長の鍵は、IT分野のシェア拡大や、海外売上比率を高めていくことだが、競争も激しいと考えられる
- 安定配当銘柄として検討の余地はあるが、増配に期待できるか否かは経営計画の進捗次第のため、注視していく必要がある
免責事項はこちら
- 本ブログは株式購入の勧誘や推奨を行うものではありません。何らかの保証・約束するものではありませんので、投資判断はご自身でご判断いただきますようお願いいたします。
- 本ブログで紹介している数字やグラフは、信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その情報の正確性を保証するものではございません。
- 本ブログは、予告なしに内容が変更・削除等されることがあります。
- 本ブログに掲載している情報は、その時点で調査した情報であり、時間の経過とともにその情報が陳腐化している可能性がございます。その場合もいかなる責任は負いかねますのでご了承ください。