【高配当株投資初心者必見】花王が配当目的の投資には適さない理由とは?
先日の決算にて24/12期も前期比2円の増配予定であることを発表し、日本株ではダントツの35期連続増配見込みの花王。そんな花王ですが、配当目的との投資には不向きな銘柄だと言えます。今回はその理由に関して解説していきます。
長期で保有してれば勝手に配当増えていくので、まさに配当目的の投資にはうってつけでは?
会社の概要や事業内容、業績推移などは過去に解説してるのでそちらをご覧ください。
花王 23/12期決算振り返り
4期連続営業利益減
原材料高を影響に4期連続で営業利益が減少。海外比率が低いことから、原材料高分の価格転嫁がなかなか進まなかったことを背景に年々利益率が低下。
一方で24/12期予想では前期比から大幅にプラスになる見込み。価格転嫁が浸透してきたことによる収益性の回復を想定しています。
ただ、前期も期の途中で下方修正してるので、この予想を鵜呑みにするのは危険です。
35期連続増配を発表
23/12期の増配はすでに公表していましたが、24/12期の予想と合わせて24/12期も増配見込みであることを発表。予定通り増配となれば、これで35期連続の増配となります。
一方で利益に対して配当の割合を示す「配当性向」も年々上昇。23/12期は158%と、その年稼いだ利益の1.5倍以上の配当を出している計算になります。
本来は稼いだ利益の中で成長投資や株主還元に充てていきますが、花王は稼いだ額以上を株主還元に回しており、かなり無理して配当を行っていると言えます。
配当性向が苦しくなってるからか、増配率も年々下がっていることがグラフから分かりますね。
花王 高配当株投資に不向きな理由
①配当利回りが低い
調査時点(2024/02/08)で花王の予想配当利回りは2.73%。高配当の水準を4%だとすると高配当株投資の対象としては物足りない水準。
でも、長期で保有してれば増配により配当利回り上がっていくのでは?
②増配率が低い
取得時の配当利回りに対して、増配することで配当利回りが高くなっていくのはその通りです。ただ、直近の花王の増配率は以下の通り。
決算期 | 一株配当 | 増配率 |
---|---|---|
2024年12月期 | 152円(予想) | 1.3% |
2023年12月期 | 150円 | 1.4% |
2022年12月期 | 148円 | 2.8% |
業績が厳しいからか、増配率は年々低くなっていますね。
2024/02/08時点で花王の株を購入。仮に直近の増配率(1.3%)のまま増配が続いていくと、経過年数に応じて配当利回りがどの程度上がっていくかをシミュレーションしてるのが下図です。
今のままの増配率だと配当利回り4%に到達するのに29年かかる計算に…!
③配当利回り4%超えの銘柄は他にもある
配当利回り4%に到達するのに29年もかかるぐらいであれば、最初から配当利回り4%の銘柄を買った方が良いですよね。2024年1月時点で業績、配当が安定している高配当銘柄をピックアップしたのが以下になります。
「でも、花王は連続増配だから減配のリスクがないのでは?」という声も聞こえてきそうですが、前述の通り花王の配当性向は150%超え。花王もタコ足配当状態で決して安心とは言えません。
現時点では配当目的には不向きなことが分かりましたが、他の投資目的ではどうでしょうか?
花王への投資妙味
売却益目的
直近1年と5年で日経平均とパフォーマンスを比較しているのが上図。いずれも日経平均をアンダーパフォームしており、5年前に買った場合は元本割れしていることが分かります。
業績の不振を背景にかなりパフォーマンスが悪いんですね。
もちろん、今後どうなるかは分かりませんが、抜本的に何かが変わらないと厳しいのでは?というのが個人的な意見です。
株主優待目的
花王は株主優待を実施していません。海外投資家が多い花王だけに、不公平をなくすという意味合いで株主優待は行っておらず、株主優待には期待ができません。
となると花王への投資妙味とはいったい…?
花王 まとめ
投資目的は大きく分けると以下の3つに分類できます。
- 売却益(キャピタルゲイン)目的
- 配当(インカムゲイン)目的
- 株主優待目的
前述の通り、現時点で花王は上記のどの目的においても不向きだと考えています。ただ、業績が好転すれば、株価上昇により①が狙えたり、増配率が上がることで②が狙うこともできるでしょう。
初心者の方が業績の推移を読むことは難しいと思いますので、配当目的(その他目的も)での投資は避けた方が良いというのが結論になります。
免責事項はこちら
- 本ブログは株式購入の勧誘や推奨を行うものではありません。何らかの保証・約束するものではありませんので、投資判断はご自身でご判断いただきますようお願いいたします。
- 本ブログで紹介している数字やグラフは、信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その情報の正確性を保証するものではございません。
- 本ブログは、予告なしに内容が変更・削除等されることがあります。
- 本ブログに掲載している情報は、その時点で調査した情報であり、時間の経過とともにその情報が陳腐化している可能性がございます。その場合もいかなる責任は負いかねますのでご了承ください。