【楽天グループ】赤字も株価上昇の理由とは?無配転落も株価が上がった背景と将来性を考察
楽天モバイル事業参入後、業績不振により株価低迷の楽天グループ。ただ、直近ではモバイル事業の赤字縮小、株主優待の新設により株価が上昇傾向にあります。
では、投資対象としてどうなのかについて、業績面や財務面などから考察していきます。
- 楽天グループへの投資判断に悩んでいる
- 楽天グループの株価上昇理由が知りたい
楽天グループ 会社概要
「楽天市場」主力
国内最大級のネット通販サイト「楽天市場」を主に事業を展開するインターネット事業者。ネット通販で事業拡大後、金融、旅行、さらには携帯電話事業にも参入するなど事業の多角化を進めています。
事業ポートフォリオ
- インターネット:楽天市場、楽天ブックス、楽天トラベルなど
- フィンテック:楽天銀行、楽天証券、楽天カードなど
- モバイル:楽天モバイル、楽天でんき、楽天ひかり
各事業の営業利益率はインターネットサービス(9.8%)フィンテック(18.1%)モバイル(-71.5%)と高収益の2事業に対し、モバイル事業のマイナスが大きくなっています。
海外比率
海外比率は15%強。米州、欧州、アジア等でECを含む各種サービスを展開しています。
今後、国内外のユーザーが国境を超えてサービスを購入するためのクロスボーダーサービス等も順次拡大していくとしています
楽天グループ 過去業績
売上/営業利益率
業績上昇/下落理由
本格的にモバイル事業に参入した19/12期以降、多額の設備投資を背景に利益面が低迷。モバイル事業が利益を圧迫する一方、フィンテックやインターネットサービスは順調に推移しています。
楽天モバイルさえ無ければとは、楽天を語る上でよく言われるように、業績の足を引っ張っています
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
モバイル事業で基地局の設置負担が大きく、5期連続の赤字。KDDI回線を利用することで、設備投資をやや緩めたことによって23/12期はやや赤字幅が縮小。
黒字化しないと株主還元等の資本政策も期待しにくいです
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 自己資本比率:3.7%
- 有利子負債比率:195.7%
- 有利子負債額:1兆6379億円
- 現金等:5兆1276億円
財務の健全性は?
金融業(フィンテック)があるため自己資本比率は考慮する必要がありますが、同じく金融業を持つ同業のソフトバンク、KDDIは20%、40%台であることからも自己資本比率の低さは一目瞭然。
現金等もフィンテック業があるため、多く見えますがそれらを除くと約5000億円と有利子負債の割に少なく。外部格付はダブルB+であり、一般的には「投資不適格」とみなされる水準です。
資金繰りは苦しく、ドル箱のフィンテック事業を手放すのではとの見方も広がっていますね
配当/配当性向
- 配当利回り:—
- PER:—
- PBR:1.93倍
- 株主優待制度:あり
株主還元方針/配当政策
成長に向けた投資や内部留保を勘案しつつ、安定的・継続的に配当を行うことを基本としています。ただ、23/12期は財務基盤の安定が株主価値の向上につながるとして「無配」に転落しています。
株主優待
23/12期より株主優待を変更。100株保有で楽天モバイルの一部プランを1年間無料にて提供しています。詳しくは会社HPをご確認ください。
無配転落の失望はあったものの、株主優待変更のプラス効果の方が大きかったのではないでしょうか
楽天グループ 株価推移
楽天モバイルによる赤字拡大以降、ここ数年は株価が低迷。2015年には2000円台の頃もありましたが、直近1年は500円を割るタイミングもありましたが、直近は株価が上昇傾向にあります。上昇理由は以下の通りです。
23/12期決算
2024年2月中旬に23/12期の通期決算を発表し、株価は一時ストップ高になるなど株価は急上昇。不採算続きのモバイル事業で赤字幅が縮小したことと、株主優待の変更によって大きく注目を集めました。
当時の株価は600円台だったため、6万円そこそこで楽天モバイル一年無料のインパクトが大きかったですね!ただ、24/12期予想は公表しておらず、今後も注視していく必要があります
その他上昇要因
その後も3月中旬にはモルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を格上げしたことや、4月に金融子会社の再編方針を固めたとの報道から、稼ぎ頭の金融事業がさらに企業価値を高めるのではとの期待から、株価は上昇傾向にあります。
今後はモバイル事業次第。NTTやKDDIもモバイルの成長は頭打ってる感が大きいので、黒字化したとしてあまり大きな期待は禁物かなと
楽天グループ まとめ
免責事項はこちら
- 本ブログは株式購入の勧誘や推奨を行うものではありません。何らかの保証・約束するものではありませんので、投資判断はご自身でご判断いただきますようお願いいたします。
- 本ブログで紹介している数字やグラフは、信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その情報の正確性を保証するものではございません。
- 本ブログは、予告なしに内容が変更・削除等されることがあります。
- 本ブログに掲載している情報は、その時点で調査した情報であり、時間の経過とともにその情報が陳腐化している可能性がございます。その場合もいかなる責任は負いかねますのでご了承ください。