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【2025年2月最新】オリエンタルランド株価下落の理由を徹底分析

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2025年2月に入り、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(証券コード:4661)の株価が大きく下落しています。2024年初頭に5,500円を超えていた株価は、2024年下半期にかけて右肩下がりに下落し、約4割もの下落となりました​。

2025年1月に入ると一転して上昇するかという動きを見せていましたが、2月に入ると再び下落し、年初来安値を更新しています。

本記事では、「オリエンタルランド 株価下落 理由」をテーマに、直近の決算内容やテーマパーク事業の動向、マクロ経済の影響、投資家のセンチメント、競争環境といった観点から最新情報をもとに分析します。

こんな人におすすめ
  1. オリエンタルランドへの投資判断に悩んでいる
  2. オリエンタルランドの株価下落理由が知りたい

2024下期下落理由「猛暑とコスト増で減益に」

2025年3月期上半期の決算では、売上高が前年同期比4.5%増の2,972億円と過去最高を更新しました。しかし、猛暑による来園者減少人件費増加などコスト高騰の影響で利益は落ち込み、営業利益は前年同期比18%減の631億円、純利益も16.5%減と減益になっています​。入場料変動価格制(ダイナミックプライシング)導入により高価格帯チケットの販売比率が上昇し、ゲスト1人当たり売上高は増加したものの、コスト増を吸収しきれませんでした​。

実際、第1四半期決算(4-6月)発表直後から株価は急落。​第2四半期(7-9月)決算発表後は下落ペースが鈍化し、第3四半期決算発表後は3,400円前後で下げ止まる動きも見られています​。これは新エリア「ファンタジースプリングス」の好調など明るい材料も出てきたためで、今後の業績回復への期待感が多少高まったためです。とはいえ、上半期の減益決算と予想未達は株価下落の大きな要因となりました。

こいち
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入場料の値上げが話題になってましたが、それ以上にコストが上昇しており、利益が市場予想に届かず…

本業の行方「入園者数の伸び悩みと新エリア効果」

オリエンタルランドの主力であるテーマパーク事業では、コロナ禍からのリベンジ需要が一巡しつつあります。2024年度上半期の東京ディズニーリゾートは、新エリア「ファンタジースプリングス」開業による集客増効果があったものの、旅行需要の落ち着きや記録的猛暑の影響で入園者数は前年同期から減少しました​。

実際、猛暑による来場敬遠などで来園者数は伸び悩みましたが、一方でゲスト1人当たりの売上高(チケット、飲食、物販)は過去最高水準となり、上半期の売上高自体は過去最高を記録しています​。

こいち
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つまり、客数は減ったものの、客単価を上げることで売上高自体は過去最高を記録したわけですね

ただ、インバウンド需要などの追い風はあったものの、来園者数が頭打ちになっていることは今後の業績の不安材料につながりました。ファンタジースプリングや、大型施策として発表したディズニークルーズ企画など、投資負担が業績に重荷になる懸念も投資家心理を冷やす一因になっていると考えられます。

テーマパーク事業自体は依然として堅調ですが、成長ペースの鈍化や投資負荷の増大が見込まれる点が株価の重荷となりました。

外的環境「インフレと金利環境が重荷に」

日本経済および世界的なマクロ経済環境も、オリエンタルランドの株価下落に影響を与えています。まず、日本国内のインフレ傾向により、人件費や原材料費など運営コストの上昇が業績を圧迫しました。​

先述のとおり、人件費増や物価高騰によって営業利益が減少しており、これはテーマパーク運営全体の収益性悪化につながっています。特に人手不足による人件費高騰はサービス業全般の課題であり、オリエンタルランドも例外ではありません。実際、テーマパーク事業の営業利益は各種コスト増加により前年同期比129億円減少しました​。

このようなインフレ圧力は、同社の利益成長を鈍化させる要因となりました。

また、世界的な金利上昇局面も株価に影響しています。各国で利上げが進み、将来利益を現在価値に割り引く際の割引率が上昇したことで、PER(株価収益率)が高いグロース株には逆風となりました。

オリエンタルランドは業績好調時にはPER50倍前後まで買われていた高成長株でしたが、市場金利の上昇に伴い割高な株価評価を見直す動きが強まったのです。(かつてオリエンタルランドの分析を行った内容は以下参照)実際、2025年2月時点でも同社のPBRは約5.9倍、PERは約46倍と依然高水準で、サービス業平均(PBR1.8倍・PER40倍程度)と比べても割高感が際立っています​。

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この高バリュエーションへの警戒が強まり、金利環境の変化もあって株価の調整圧力がかかったと考えられます。

こいち
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本ブログではバリュー株を紹介することが多いので、オリエンタルランドのPERの高さはより際立ちますね

需給悪化「大株主売却と高PERへの警戒」

株価下落には、投資家心理(センチメント)の悪化も大きく影響しました。具体的には、大株主による株式売却やそれに伴う需給悪化懸念が株価を押し下げました。オリエンタルランドの筆頭株主である京成電鉄は2024年11月27日に同社株式の約1%を市場で売却しました​。

さらに、京成電鉄に対しては英国のアクティビストファンド(物言う株主)から持株比率を2026年3月までに15%未満に引き下げるよう要求が出されており、今後も追加売却の可能性があります​。

第3位株主の三井不動産にも米ファンドのエリオットから株式売却と1兆円規模の自社株買いを求める提案がなされており、実際に三井不動産の保有比率は年々低下しています​。

​こうした海外投資ファンドによる株式売却圧力の高まりから、「市場に大量の売り玉が出て需給が悪化するのでは」という懸念が広がり、株価下落要因となりました​。

また、個人投資家のセンチメントにも変化が見られました。2023年4月にはオリエンタルランドが1株を5株に株式分割しており、これに伴って株主優待制度も変更されています​。

従来は500株以上保有の株主に与えていた「1デーパスポート」が、分割後は100株(3年以上保有)でももらえる条件に緩和されました​。

その結果、「優待目的で500株持っていたが、100株あれば十分なので残りを売却しよう」と考える投資家が一部現れた可能性があります​。

この制度変更による個人株主の売り出しも需給バランスに変化を及ぼし、短期的には株価下落の一因となったと指摘されています​。

加えて、前述のように割高感への警戒も投資家心理を冷やしました。オリエンタルランド株は長年「ディフェンシブな成長株」として人気が高く、高PERでも買われてきました。しかし業績が市場期待に届かない中で株価だけが先行して高水準にあったため、投資家の間で「さすがに高すぎるのでは」という見方が強まりました​。

大株主・個人株主からの売り圧力と相まって、利益確定売りや見切り売りが増えたことで下落に拍車がかかったと考えられます。

競争の対等「他テーマパークの台頭による影響」

競争環境の変化も見逃せません。テーマパーク業界では、東京ディズニーリゾートの一強体制に対して、近年ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が急速に存在感を高めています。USJは任天堂エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」の開業など大型投資によって集客力を強化し、2023年度の入場者数は約1,600万人と過去最高を記録しました​。

実は2022年以降、USJの年間入場者数は東京ディズニーランド(TDL)を上回る水準となっており、2年連続で日本一の入場者数を達成しています​。

若年層の一部では「USJに行きたい」という動きが強まっており、従来ならTDLに向かっていた層がUSJに流れる傾向も指摘されています​。

実際、東京ディズニーリゾートの来園者構成を見ると、主要顧客層である18~39歳の比率が2023年に急落しており、これはUSJの人気コンテンツが若者を引き付けた影響と考えられています​。

このように、国内のテーマパーク市場で競争が激化していることが、将来の集客不安につながり投資家心理に影響を与えています。

さらに、コロナ後のインバウンド(訪日外国人)需要の回復により、外国人旅行者を巡る競争もあります。東京ディズニーリゾートは世界的ブランド力がありますが、アジアには上海ディズニーランドや香港ディズニーランドといった競合施設も存在し、海外からの集客競争も熾烈です。加えて、国内外で娯楽の選択肢が多様化する中、消費者の娯楽費の奪い合いという観点でも油断できません。こうした競争環境のプレッシャーが、中長期的な成長性に対する市場の不安要素となり、株価の上値を抑える一因となりました。

まとめ「株価下落理由は複合要因」

ポイントまとめ
  • 猛暑の影響やコスト増など、2024年度上期から株価が下落傾向
  • 大株主の株式売却による需給の悪化懸念
  • 株価の割高感への警戒
  • コロナ明けのリベンジ消費の一服による来園者数の伸び悩み
  • インフレなどマクロ経済の悪化
  • 競合テーマパークの台頭など、競争環境の激化
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投資家/コンサル
投資家ブロガー(投資歴5年)/日米高配当株を中心に個別株に投資中/経歴:大手メーカー→スタートアップ→外資IT→コンサル(独立)

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