【JR九州】JR各社の中でも高配当株投資向けの理由とは?
コロナ禍からの復調が待たれるJR各社ですが、インバウンド銘柄としても注目を集めます。中でもJR九州はJR他社と比較すると、高配当銘柄としても検討の価値がある銘柄です。
今回はそもそもJR九州はどのような会社なのか、なぜJR他社よりも高配当株投資に向いているのかを解説していきます。JR九州を検討中の方や気になってる方はぜひご覧ください。
日米高配当株投資を中心に投資歴は5年目を迎え、年間配当金は30万円オーバー。保有銘柄の評価益はプラス40%超。
数字(業績)だけの分析だけではなく、コンサル時代の経験も活かした事業分析や考えうるリスクなど、独自の視点で解説してます!
JR九州
東日本旅客鉄道
正式名称は九州旅客鉄道株式会社。1987年に国鉄および九州総局が管理していた、九州地方の鉄道事業を民営化して発足した鉄道会社。
2016年に上場を果たし、JR旅客会社ではJR東日本、JR西日本、JR東海に次いで4番目の企業となります。
多角化
JR九州発足以降、鉄道事業は2016年3月期まで営業黒字を計上したことが一度もなく、鉄道事業を補完するため、事業を多角的に展開。主力の不動産事業は九州のみならず、首都圏や国外(タイ)にも進出しています。
業績
インバウンド期待
詳しくは後述しますが、コロナ禍のダメージはJR各社の中で最も軽微。今期予想で、売上はほぼほぼコロナ前の水準まで戻る見込み。ただ、不動産の収益性低下により利益率はコロナ前の水準にはまだ遠い。
新たに開業した西九州新幹線を起爆剤とした、西九州エリアのまちづくりを進めています。かつては所有していた不動産の売却で収益を得ていましたが、不動産デベロッパー的な役割を担おうとしている訳ですが、どこまで業績に寄与していくかは未知数。インバウンド需要に期待。
16/3期は減損損失を計上し、減価償却費の大幅な圧縮を行う。結果、翌年から鉄道事業が初の黒字化に成功。
財務
自己資本比率は50%前後を推移してましたが、ここ数年は西九州エリアの開発など投資を活発化。自己資本比率もやや低下してますが、最低ラインの40%はキープしており、及第点の水準と言えます。
株主優待あり
- 配当利回り:3.07%
- PER:11.69倍
- PBR:1.15倍
- 株主優待制度:あり
- 100株以上所有の株主に対して、1日乗車券や優待券、各種割引券が贈呈
中期経営計画(-2024年度)まで配当の下限を93円に設定。コロナ禍で赤字の際にも減配していません。かつ株主優待もあるため、株主還元は厚い会社と言えますね。
株価
上図が年初来での日経平均とのパフォーマンス比較。インバウンド銘柄として注目集まるも、日経平均に対しては大きくアンダーパフォーム。日経平均を牽引した海外投資家は、内需銘柄にはあまり積極的でなかったことが理由と言えそうです。
下図がJR各社との比較。ほぼ同じ値動きですね。インバウンド需要で業績の上方修正、増配の可能性もあるため、早めに仕込むのも「あり」だと思います。
高配当株投資向きの理由
各社の業績比較をしているのが上図です。JR九州は最も規模感が小さいことが分かりますが、高配当株投資向きと言える理由は以下の通り。
業績が安定
上図が営業利益率の推移を比較したグラフです。コロナ禍で各社一斉に業績が落ち込んでいます。その中でも、JR九州は最も影響が小さかったことが分かります。
その理由は下図にあります。各社の売上構成を比較すると、JR九州が最も「運輸」の依存度が小さく、他事業の割合が大きいです。そのため、コロナ禍での落ち込みも小さかったと考えることができます。
高配当株投資では、長期で安定した業績・配当が求められるため、このような有事の際にも業績の落ち込みが小さいことは好材料と言えます。
配当利回り
上図が各社の配当利回り推移のグラフです。一過性ではなく、ここ数年配当利回り3%超えの水準が続いてます。コロナ禍でも減配なく、配当を維持しているということは、滅多なことでは減配しない意思の表れでもあり高配当株向きの銘柄と言えますね。あとは、業績の拡大及び増配に期待です。
まとめ
- 鉄道会社とはいえ、鉄道以外にも多角的に事業を展開
- コロナ禍の落ち込みも比較的軽微で、売上はコロナ前の水準へ
- 一方、不動産の収益性が悪化しており、利益は元の状態に戻っておらず
- 西九州エリアの開発、インバウンド需要でいかに利益を伸ばせるかが鍵
- 配当はJR各社の中でも安定しており、業績も波が少なく高配当株投資向きな銘柄
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