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サンリオ株価急上昇の理由と割高か否かを解説

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サンリオ(8136)の株価が2025年2月現在、急上昇し市場の注目を集めています。実際、2025年2月17日には業績予想の上方修正を受けて前日比+16%超の急騰となり、終値7,088円と​上場来高値を更新しました​。

なぜサンリオの株価はこれほどまでに上がっているのか?背景にある業績の大幅改善と経営改革、そして現在の株価水準は割高なのかどうかについて考察していきます。

こんな人におすすめ
  1. サンリオの株価上昇理由が知りたい
  2. サンリオへの投資に悩んでいる

サンリオの業績・株価

2021年3月期を底に急成長

サンリオの業績は2021年3月期を底にV字回復を遂げました。コロナ禍の影響もあって2021年3月期は1995年以来の営業赤字となりました​しかしその後、新社長のもとで構造改革と事業立て直しが進み、2022年3月期以降は連続して増収増益を達成しています​

この3年間(2021年3月期~2024年3月期)で売上高は約2.3倍に増加し​、過去最高益を約25年ぶりに更新する見通しとなりました​。例えば2024年3月期(予想)では前期比で売上高+34%、営業利益+102%増と大幅な伸びを示しています​

こいち
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コロナ禍で赤字に転落したものの、そこからV字回復どころか過去最高を更新する勢いなんだね

株価も上場来高値を更新中

業績の急回復を受けて、株価も力強い上昇を続けています。サンリオの株価は2021年3月末時点では1,700円強でしたが、その後の業績拡大に伴い上昇し、2024年2月には約6,800円強と約3.9倍にまで跳ね上がりました​。

さらに2025年に入っても上昇トレンドは続き、2025年2月中旬にはついに7,000円台を突破しています。2024年5月につけた安値2,300円台から継続的に上昇し、2月17日にはストップ高買い気配の7,088円まで到達して上場来高値を更新しました​

こいち
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2024年の後半頃から個人投資家からも注目を集め、SNSなんかでも頻繁に取り上げられてますね

サンリオ急成長の要因

サンリオの事業内訳

まずサンリオのビジネスモデルを押さえておきましょう。同社はハローキティやマイメロディ、ポムポムプリンなど数多くの人気キャラクターを抱えるキャラクター企業です。それらのキャラクターを軸に、主に次の3つの事業を展開しています。

グッズ販売

国内販売、海外販売、EC販売を通じて自社のキャラクターグッズを販売しています。ハローキティを中心に多くの人気キャラクターを多く抱えるサンリオの代表的な収益源の一つがこの「グッズ販売」事業となります。

ライセンスビジネス

一方、他社がサンリオキャラクターを商品・サービスに使用する際、サンリオはライセンス料を受け取っています。それがこのライセンスビジネス事業であり、詳しくは後述しますがサンリオの急成長を支えたビジネスとなります。

テーマパーク

他にも国内に「サンリオピューロランド(東京)」と「ハーモニーランド(大分)」の2カ所抱えるなど、テーマパークの運営を行っています。コロナ禍で大きく落ち込んだものの、インバウンド需要もあり、売上・利益を押し上げる要因となっています。

こいち
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売上の割合としてはライセンスビジネスの割合が大きく、かつ利益率も大きな事業なのでまさにドル箱事業と言えます

ライセンス事業が成長を牽引

サンリオ急成長の主役はライセンス事業の拡大です。原価がほとんどかからない収益構造のため、売上の拡大がそのまま利益の拡大につながる高収益事業。このライセンス事業の売上拡大が、前述の急成長につながっています。

この成長の主な要因は、北米や中国市場など海外でのライセンス事業の拡大 です。「ハローキティ」50周年関連の施策や複数キャラクター戦略が奏功し、これらの地域でのライセンス収入が大幅に増加しました。

特に、「ハローキティ」以外のキャラクターの活躍 が顕著で、キャラクターポートフォリオの多様化が業績の安定化と成長に大きく貢献。結果として、サンリオはライセンス事業を中心に、海外市場での成功やキャラクター戦略の多様化により、業績を大きく伸ばしています。

こいち
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「セーラームーン」や「ちいかわ」とのコラボレーションは大きな話題となり、関連グッズも大ヒットしています

その他にも国内外で鉄道会社やアイドルグループ、ゲームなど異業種とのコラボも手掛けており、キャラクターの露出を増加。こうした積極的なIP展開が功を奏し、サンリオの業績を後押ししています。

背景に新社長の経営改革

この急成長の背景には、辻朋邦新社長(つじ・ともくに)による経営改革の存在があります。辻氏は経営陣の刷新や、不採算グッズの削減など事業構造変革に取り組み、さらにはマーケティング戦略も大きく変えるなど、サンリオの業績拡大に導くためのさまざまな戦略を断行し、サンリオのV字回復に貢献したと言われています。

こいち
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この辻社長はメディアでも見かけたことがあるけど、どのような方なんだろう?

サンリオ 辻朋邦社長

学歴とサンリオ入社前の経歴

辻朋邦氏はサンリオ創業者・辻信太郎氏の孫にあたる経営者です​。1988年11月1日生まれで、奇しくもハローキティと同じ誕生日でもあります​。

学生時代は慶應義塾大学文学部で学び、2011年に同大学を卒業するも、卒業後はすぐにサンリオには入社せず、まずは一般の企業で社会人経験を積んでいます。入社したのは食品メーカーで、幼い頃から身近だったキャラクター事業とは異なる業界で働きました。

入社の直接のきっかけとなったのはお父様の急逝でした​。父・邦彦氏(信太郎氏のご子息で当時サンリオ副社長)が亡くなったことを受け、2014年1月に辻朋邦氏はサンリオに入社する決断をします​。

こいち
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プロ経営者ではなく、創業家の血を引くも、外部で経験を積んでいて突然のタイミングでサンリオに入社した経緯があるんですね

サンリオ入社から社長就任まで

2014年にサンリオへ入社した辻氏は、入社後わずか数年で経営陣に加わりキャリアを駆け上がっていきます​。2015年6月には企画営業本部担当の執行役員に就任し、2016年には取締役、2017年には専務取締役へと昇進しました​。

2020年7月、辻氏は31歳の若さで代表取締役社長に就任します​。創業者である祖父・信太郎氏からバトンを受け継ぐ形での社長交代でした。就任時、社内外からは「若すぎる社長」という批判の声もあったようですが、見事結果で示したわけです。

社長就任後の経営改革

実際に行われた改革施策は、前述のとおり経営陣の若返り、人事制度改革、商品戦略の見直し、グローバル展開の強化、SNSマーケティング強化など多岐にわたります。特に複数キャラクター戦略は、かつてのハローキティ一強から脱却し、さらにはファン層の拡大へと繋がり、サンリオの企業価値向上に大きく貢献しました。

こいち
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ちょうど業績が底だったことも、色々な変革を行うには良いタイミングだったのかもしれないですね。それにしても30歳台と経営者の中では若手にも関わらず、凄い手腕です

サンリオは割高?

急上昇したサンリオ株ですが、投資判断をする上で気になるのは現在の株価水準が割高か割安かという点でしょう。ここまで急成長していると「乗っかりたい」という気持ちと「今からでは遅いのでは?」という相反する気持ちが交錯します。では、いくつかの観点からサンリオの株価を見ていきましょう。

PERで見るサンリオの株価

サンリオは2025年3月期の通期純利益予想が約405億円とされています​。発行済株数(現在約2.36億株)の想定から計算される予想EPSは約171.5円となり、株価7,088円(2025年2月17日終値)時点でPERは約41倍になります。

TOPIXの予想PERが約15倍であることから見ても、市場平均と比較してかなり高めの水準であることが分かります。今の急成長が続くうちは良いですが、一転成長に陰りが見えたタイミングでは、PERが見直される可能性がありますので注意が必要です。

こいち
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2026年3月期の予想次第では、株価が荒れる可能性もあるので注意は必要。もちろん逆も然りですが、高PER銘柄への投資はボラティリティが高くなる傾向があるので覚悟が必要です

競合ディズニーとバリュエーション比較

ただ、高PER銘柄が必ずしも投資不適格というわけではありません。成長企業やブランド力の強い企業はPERが高めでも買われる傾向があります。サンリオと事業領域が重なる競合企業の例としてウォルト・ディズニーを見てみましょう。

ディズニー(NYSE:DIS)は世界的なキャラクタービジネス&エンターテインメント企業ですが、そのPERは直近実績ベースで約34~40倍程度となっています。

こいち
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オリエンタルランドもPERは40倍を超えています。これらの企業と比較すると、サンリオが突出して高いわけではないということが分かりますね

まとめ

ポイントまとめ
  • 2025年2月現在、業績及び株価が絶好調で投資家が最も注目している銘柄の一つ
  • 複数キャラクター戦略などによるライセンスビジネスが海外を中心に堅調に収益貢献
  • ライセンス事業は原価のほとんどかからないビジネスモデルのため、業績が急成長中
  • 急成長の陰には2020年に社長に就任した辻朋邦社長の存在
  • 市場平均と比較してPERは高いが、競合と比較すると突出して高いわけではない
  • ただ、この先の業績次第ではPERが見直されることもあり得るため、高いリスクがあることも想定する必要あり
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投資家/コンサル
投資家ブロガー(投資歴5年)/日米高配当株を中心に個別株に投資中/経歴:大手メーカー→スタートアップ→外資IT→コンサル(独立)

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