銘柄分析
PR

【トクヤマ】半導体向け次第?3Q決算の結果を受けて株価下落の理由と将来性は?

8656s384
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
無料アプリで隙間時間に情報収集

今話題のmoomoo証券!

こいち
こいち
  • スマホから手軽に相場の全体像を把握
  • ヒートマップで業種別パフォーマンスがわかる
  • 個別株の分析がパソコンなしで可能
moomoo証券

高純度多結晶シリコンをはじめ、多くの半導体向けの製品を有するトクヤマ。今後需要の拡大が期待される一方でPBRは1倍を大きく割れる割安銘柄です。今回はそんなトクヤマの投資妙味について考察していきます。

こんな人におすすめ
  1. トクヤマへの投資判断に悩んでいる
  2. 半導体関連だが割安な銘柄を探している
  3. PBR1倍割れの銘柄が好み
結論

※A〜Hの投資分類はこちらを参考にしてください。

トクヤマ会社概要

老舗中堅化学メーカー

1918年設立、登記上の本店を山口県周南市に構える老舗中堅化学メーカー。設立時、輸入に頼っていた「ソーダ灰」の国産化を目指し設立された企業であり、現在ではあらゆるフィールドに事業を展開しています。

強み・特徴

主力はのクロルアルカリ、セメント、多結晶シリコンはエネルギー多消費型産業という特徴。安価に大量生産が求められる産業であり、自社で石炭火力を持った発電所を有し、電気代を抑えることができます。

こいち
こいち

この辺は東ソーと非常に似た特徴と言えます。

事業ポートフォリオ

セグメント詳細
  • 電子先端材料:シリコン、ICケミカル、シリカ、放熱材
  • ライフサイエンス:ファインケミカル、歯科器材、診断
  • 環境:太陽光パネルリサイクル、アジア向け大型プラント
  • 化成品:ソーダ・塩カル、クロアリ・塩ビ
  • セメント:セメント、資源

成長事業

電子・健康・環境の成長事業のシェアを50%以上(現状は40%弱)にしていくと掲げています。中でも鍵を握るのが半導体(電子)向け。

半導体(電子)向け材料

太陽光や半導体シリコンウエハで必要とする多結晶シリコンを製造。中でも高純度を要する半導体用シリコンウエハ用に強みを持ち、2025年の稼働に向けたマレーシアプロジェクトを進めています。

また、IPA(イソプロピルアルコール)も先端半導体の製造には欠かせないとされており、半導体製造の各工程において注目の製品を有しています。

こいち
こいち

マレーシアプロジェクトは韓国の企業と合弁で再挑戦という形になります。

海外比率

海外比率は約3割で台湾や韓国などに素材の供給を行います。

トクヤマ過去業績

売上/営業利益率

業績上昇/下落要因

原材料高の影響や発電時に必要とされる石炭価格の上昇により、収益性が大幅に悪化。石炭価格も徐々に落ち着きを見せ、24/3期は増益となる見込みです。

こいち
こいち

地政学リスクによる石炭価格上昇の影響を受けるも、営業黒字はキープ。

EPS/ROE

企業価値向上策/資本政策

後述しますが、2016年にはマレーシアのプロジェクトで巨額の減損損失を計上。ROEの目標は10%以上を目標に設定していますが、資本政策にはあまり積極的なイメージとは言えない印象です。

自己資本比率/キャッシュ

  • 有利子負債比率:59.81%
  • 有利子負債額:1372億円
  • 流動比率:287%

財務の健全性は?

16/3期は巨額の減損損失を計上するも、徐々に回復させ財務も安定的な水準まで戻しています。

巨額の減損損失

マレーシアでの多結晶シリコン製造プロジェクトに失敗。太陽光バブルがはじけ、安価な中国メーカーの台頭により、巨額の減損損失を計上。企業再生ファンドの支援を仰ぐなど、経営も揺らぐ事態に陥っていました。

こいち
こいち

前回は太陽光向けで失敗しましたが、今回は高純度で強みを持つ多結晶シリコンで勝負を挑みます。

配当/配当性向

※2024/02/16時点
  • 配当利回り:3.03%
  • PER:9.25倍
  • PBR:0.69倍
  • 総還元性向:53.8%
  • 株主優待制度:なし

株主還元方針/配当方針

中長期事業計画を勘案しつつ、継続的な安定配当を基本方針としています。具体的には配当性向20〜30%を目安とし、自己株式の取得も都度検討する方針。

こいち
こいち

巨額減損損失計上後は安定した配当を継続させています。

トクヤマ競合比較

PER/PBRの割安度

原燃料価格や市況に影響されやすい業界だけに、全体的に割安で評価されていることが分かります。2016年に起きたように安価な中国メーカーの台頭なども懸念されるだけに今後の戦略に注目。

トクヤマ株価/将来性

株価上昇/下落理由

直近1年の株価パフォーマンスが上図の通り。ほぼ日経平均と同じようなパフォーマンスでしたが、24/3期第三四半期決算の影響を受けて株価が下落。

半導体市場の低迷により半導体関連製品の販売が軟調に推移。業績の下方修正を行なったことで、半導体関連製品の販売数量が減ることを嫌気されての下落と見られています。

こいち
こいち

半導体向けの期待が強いだけに、今後も半導体関連の動向には注目です。

リスク

2016年に大幅減損を計上したように、今後も投資の失敗などはリスク。また、原燃料価格に収益が左右されることや、脱炭素も一つのリスクと考えられます。

前述の通り、石炭火力発電設備を有するだけにCO2の排出量も多い同社。対策は不可避であり、そこにかかる設備投資なども負担になっていくことが想定されます。

トクヤマまとめ

  • 高純度多結晶シリコンの製造に強みを持ち、半導体向けで注目
  • 先端半導体の製造に欠かせない製品を複数有する
  • 財務・配当ともに及第点の水準
  • 原燃料価格に左右されやすい
  • 過去には海外プロジェクトの失敗で巨額の損失を計上し、ファンドの支援を受けた過去も
  • 資本政策にはまだ課題あり
あわせて読みたい
【東ソー】高配当銘柄の将来性は?高収益の総合化学メーカーを解説!
【東ソー】高配当銘柄の将来性は?高収益の総合化学メーカーを解説!
免責事項はこちら
  • 本ブログは株式購入の勧誘や推奨を行うものではありません。何らかの保証・約束するものではありませんので、投資判断はご自身でご判断いただきますようお願いいたします。
  • 本ブログで紹介している数字やグラフは、信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その情報の正確性を保証するものではございません。
  • 本ブログは、予告なしに内容が変更・削除等されることがあります。
  • 本ブログに掲載している情報は、その時点で調査した情報であり、時間の経過とともにその情報が陳腐化している可能性がございます。その場合もいかなる責任は負いかねますのでご了承ください。
Twitterからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
こいち
こいち
投資家/コンサル
投資家ブロガー(投資歴5年)/日米高配当株を中心に個別株に投資中/経歴:大手メーカー→スタートアップ→外資IT→コンサル(独立)

年間配当額は50万円オーバー!2023年10月末時点でポートフォリオの評価益は30%超え。過去持ち株の無配転落を機に銘柄選定を強化中
記事URLをコピーしました