【アスクル】株価上昇の理由は?連続最高益更新もPERは低くまだまだ割安水準?
2024年3月に自社株買い発表で株価急騰のアスクル。14期連続過去最高売上更新の好調な業績もPERは11倍と低い理由や、株価が急騰している理由は一時的な特別利益の存在にあります。今回はその理由を解説していきます。
- アスクルへの投資判断に悩んでいる
- アスクルのPERが高くない理由が知りたい
アスクル会社概要
事務用品eコマース事業
事務用品などを中心に通信販売(eコマース)で商品を販売する小売業者。ソフトバンクグループ傘下のLINEヤフーの連結子会社に属します。
強み・特徴
自社(子会社)で物流を有しいる点が特徴。会社名は「明日来る」という、翌日配達することが由来となっています。
BtoBオフィス用品のシェアが圧倒的に強いです。
事業ポートフォリオ
- BtoBコマース:対法人向けeコマース事業(OA・PC用品、オフィス用品など)
- BtoCコマース:対個人向けeコマース事業
- ロジスティクス:メーカー等の通販商品の保管、物流、配送など
LOHACO黒字化
BtoC事業を手掛ける「LOHACO」は23/5期に初めて黒字化。Amazonなど競合がひしめく中、今後利益に貢献していくか注目です。
海外比率
海外売上構成比率は10%未満のため、公表していません。
アスクル過去業績
売上/営業利益率
業績上昇理由
24/5期も増収増益を予想しており、これで売上は14期、利益は4期連続の最高益更新となる見込みです。HPのUI/UXの見直しにより、一度に購入してもらう個数を増やすことで単価UPと配送費の低減を実現しています。
単価の低い製品だけに、競合のMonotaROやAmazonに比べると利益率は低いが業績はいたって安定的。
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
中期経営計画にてROEは20%を目標とし、投資判断をしていくとしています。ただ、資本政策に関する言及は見当たらず。24/5期は損害賠償請求訴訟による特別利益を117億円計上したことにより、ROEが大幅上昇となります。
あくまで24/5期のROE/EPSは一時的なものと考えた方が良いですね。
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 有利子負債比率:32.5%
- 有利子負債額:208億円
- 現金等:662億円
- 流動比率:129%
財務の健全性は?
リース債務を加えた有利子負債以上に手元に現金を有しています。23/5期は赤字でしたが、長年フリーCFも安定して黒字を築いており、財務は健全です。
配当/配当性向
- 配当利回り:1.69%
- PER:11.52倍
- PBR:2.70倍
- 総還元性向:33.9%
- 株主優待制度:あり
株主還元方針/配当政策
健全な財務体質を維持しつつ、内部留保の確保と株主還元としての配当政策をバランス取りながら実施していくとしています。具体的な目安に関しては公言していません。
株主優待制度
一般消費者向けECサイト「LOHACO」で使えるクーポン券2,000円分(500円×4枚)を贈呈しています。詳しくは会社HPをご確認ください。
アスクルPERの割安度
調査時点でPERは11.5倍。業績が右肩上がりの割にはあまり高くないように感じますが、これは24/5期の最終益が特別利益によって大幅に上方修正されたためです。上図の通り、それまでは20倍前後で推移してましたが、一時的に大幅に下落。
今回のEPS推移が続くようであれば割安とも考えられますが、あくまでも一時的なものですので、予想PERだけで割安と評価しないよう注意が必要です。
アスクル株価
直近1年のパフォーマンスを日経平均と比較してるのが上図。直近は日経平均をアンダーパフォームしていますが、足元(2024/3/15頃)では急上昇していることが分かります。
株価上昇理由
前述の通り、損害賠償請求訴訟による特別利益を117億円計上し最終益は過去最高予想。それに伴い、上限225万株(発行済み株式総数の2.31%)の自社株買いを発表したことにより、株価が大きく上昇しています。
実施期間は2024年3月18日〜8月13日。取得した自社株は15万株を残して償却する予定としています。
ただ、実は売上は下方修正するなど、あくまでも一時的なものであることは知っておく必要があります。
アスクルまとめ
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