【K&Oエナジー】株価上昇の理由は?同じくペロブスカイト関連伊勢化学との違いや将来性は?
ペロブスカイト関連銘柄として注目を集めるK&Oエナジーグループですが、伊勢化学工業との違いは資本効率にあります。足元ではFITでペロブスカイトが優遇されるとの報道から両社株価上昇してますが、その違いなどを解説していきます。
- K&Oエナジーへの投資判断に悩んでいる
- K&Oエナジーの株価上昇理由が知りたい
- ペロブスカイト関連銘柄を探している
K&Oエナジーグループ会社概要
エネルギー企業
天然ガス開発から都市ガス供給まで一貫して提供するエネルギー会社。ヨウ素の生産・販売でも世界有数の企業とされています。
2014年に関東天然瓦斯開発と大多喜ガスの共同株式移転によって設立された持株会社であり、日本一の水溶性天然ガス生産地である千葉県に本社を構えています。
事業ポートフォリオ
- ガス:天然ガスの開発・販売、都市/LPガスの販売
- ヨウ素:かん水の販売、ヨウ素及びヨウ素化合物の製造・販売
- その他:建設事業、ガス機器等の販売、地質・水質調査など
ペロブスカイト関連銘柄
日本の要素生産量は南米チリに次いで世界第2位。K&Oエネルギーは国内ヨウ素の約15%、世界生産量の約5%を担っているとされます。このヨウ素は注目の次世代型「ペロブスカイト」太陽電池に欠かせない素材として注目を集めています。
伊勢化学工業と事業領域がバッティングしていることが分かります。
海外比率
日本国内での売上が9割を超えるため、有価証券報告書において海外における売上は公開していません。
ヨウ素は海外への輸出が大半と有報に記載がありましたが、ガス事業が国内メインだからのようです。
K&Oエナジーグループ過去業績
売上/営業利益率
業績上昇/下落理由
2023年はガスの販売量こそ減少したものの、ヨウ素の販売価格が上昇したことにより増益となりました。2024年はヨウ素価格が一服し、減益となる予想を発表しています。
ただ、2023年も減益予想から上方修正してるので、予想が保守的という見方も…
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
ROEが低いことに対し、積極的投資や継続的な株主還元の充実をさせていくとはしてますが具体的な数値などに関しては示していません。
株主資本コスト4〜5%と低く見積もっているあたりも少し気になるところ…
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 有利子負債比率:1.03%
- 有利子負債額:9.26億円
- 現金等:225億円
- 流動比率:239%
財務の健全性は?
有利子負債以上に手元に現金を有しており実質無借金経営となります。自己資本比率も80%と高く、財務の懸念は全くありません。
有価証券も多くROEを下げる要因となってるため、資本政策にも期待したいですね。
配当/配当性向
- 配当利回り:1.33%
- PER:17.45倍
- PBR:0.89倍
- 総還元性向:15.7%
- 株主優待制度:なし
株主還元方針/配当政策
経営基盤の基礎となる内部留保の充実と継続的な安定配当を基本方針としています。その上で中長期の連結業績、DOE、フリーCF等を総合的に勘案し、継続的な株主還元の充実をめざとしています。
DOEの目安などは公表しておらず。ただ、設立以来一度も減配はなく、増配傾向です。
K&Oエナジーグループ競合比較
伊勢化学との違い
競合の伊勢化学工業と比較すると売上は4倍以上、営業利益も2倍近く上回っていますが、時価総額の差はさほど無く。稼いでいる額に対しては割安に評価を受けていることがわかります。
要因として考えられるのがROE(資本効率)の低さです。K&Oエナジーは手元の現金の多さや、政策保有株式も多いため、資本を有効的に使いきれておらず、評価を落とす要因になっていると考えられます。
ROEの低さを認識はしてますが、何か劇的に変わる雰囲気はIR資料からは感じません。
K&Oエナジーグループ株価推移
直近1年は日経平均をアンダーパフォームする期間が長かったですが、2024年3月に株価が急上昇。主な要因は以下のとおりです。
株価上昇理由
2023年末にかけて「ヨウ素」を増産すると報じられたことから株価がじわじわと上昇。2024年3月にはFITで「ペロブスカイト型」を優遇すると報じられたことにより、ペロブスカイト太陽電池の主原料であるヨウ素を製造する同社に注目が集まりました。
同業の伊勢化学の上昇率は特に凄まじいですね。
K&Oエナジーグループまとめ
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