【M&A総研】株価下落する?社長による自社株式売却の影響と将来性について考察
3/13に社長による自社株の売却を発表。影響は一時的という認識ですが、すでに株価は高い成長を織り込んでおり、中長期での保有はリスクが高い銘柄だと考えています。
- M&A総研への投資判断に悩んでいる
- M&A総研が株価下落した理由が知りたい
M&A総研HD会社概要
M&A仲介会社
2018年設立の独立系M&A仲介会社。設立からわずか4年後の2022年に上場を果たし、東証プライム市場に属しています。創業社長の佐上氏が大株主であり、調査時点で約63%の株を保有しています。
どうやら社長が大量の株を保有してることが、今回の争点のようです。
強み・特徴
売り手企業は着手金など無料の完全成功報酬制であることが特徴です。
事業ポートフォリオ
23/9期決算においてはM&A仲介事業一本(売上構成上)での事業展開となりますが、成長をさらに加速させるため2023年10月に新会社を3社設立。M&A仲介のほか、資産運用コンサルティングなどのその他事業も加速させていく方針です。
海外比率
海外売上に関する言及はなく、実質国内一本での事業展開であると考えられます。
M&A総研過去業績
売上/営業利益率
業績上昇理由
中小企業の後継者問題に対する需要は底堅く、同社もコンサルタントを増員させていくことで毎年高い成長率を誇ります。在庫や設備投資を必要としないビジネスでもあり、営業利益率は脅威的な水準。
コンサルタントの増員が鍵であり、かなり高い報酬で新卒の採用も狙っているみたいです。
EPS/ROE
企業価値向上策/資本政策
現時点のいて中長期的に達成すべきROE水準などは未定としています。まずは事業投資を積極的に進めるフェーズであり、資本政策は検討中としています。
自己資本比率/フリーキャッシュフロー
- 有利子負債比率:1.68%
- 有利子負債額:9400万円
- 現金等:74.3億円
- 流動比率:286%
財務の健全性は?
設備投資を必要とするビジネスではないため、有利子負債も少なく実質無借金経営。財務は健全です。
配当/配当性向
過去に配当は行っていません。
- 配当利回り:0.00%
- PER:91.03倍
- PBR:54.46倍
- 株主優待制度:なし
株主還元方針/配当政策
株主還元方針は未定。配当や自社株買いは念頭におきながら、方針が決まったら発表するとしています。
キャッシュ豊富なので、いずれ競合同様配当は行うと考えています。
M&A総研競合比較
PER/PBRの割安度
PER/PBRは競合比で見ると圧倒的に高いことが分かります。収益力の高さ故の期待値と評価できますが、業績の実態以上に期待値が反映されているため、割安感はありません。
M&A総研株価
23/9期決算を発表以降、大きく株価が上昇しており、直近1年で2倍以上に株価が上昇しています。ただ、足元では社長による株式売却の影響が懸念されています。
社長による自社株式の売却
2024/03/13付で佐上社長が自社株式の9.5%を売却すると発表し、注目を集めています。理由としては海外投資家とコミュニケーションを取る中で、不動株比率の向上が今後の更なる企業価値向上に繋がると考えたためとしています。
前述の通り、佐上社長の保有比率が約63%と高かったことから、保有比率を減らし自由に市場で取引できる浮動株を増やすというわけです。
影響度は?
今回の売却はブロック取引で行うとしています。これは公開市場で行うのではなく、証券会社を介した私的な相対取引によって売買を行うものであり、売却することに伴う株価の下落は限定的だと考えられます。
ただ、一時的には需給の悪化による株価の下落が懸念されています。
下落は絶好の買い場?
個人的には中長期での保有にはリスクが高いと考えています。M&A仲介ビジネスは市場こそまだまだ伸びていく見込みですが、参入障壁が低くこの高い成長性を続けられるかは懐疑的だと考えているためです。
もちろん、どこまで安くなるかにはよりますが、市場では高い評価がすでに織り込まれています。業績の進捗が悪かったり、少しでもBad Newsが出ると株価が大きく調整するリスクもあるので注意が必要です。
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M&A総研まとめ
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